羊を持っていた 昔は
羊は納屋で交尾をしていた 交尾とは虫みたいなのでsexだったかもしれない 納屋には草を刈るための機材しかなかったが 羊はそこが気に入っていたらしかった 小さな明かり窓から牛が凝視していた 羊のsexを 恍惚の羊 納屋の中は羊の匂いで満たされ なにかのために刈られる毛が舞い散るのはまた 自分の意志で無駄にしているようで嬉しかったのだろう
-もう戻らないつもりで こんな山奥で泥臭くなるのはまっぴらで海へ行こうと思った まだ間に合うならsexをしなければならないと思った それはまた義務でもあったから
下になっている羊が言った(言ったのだと思う) 「 は や く ご は ん を た べ な さ い 」 上になっている羊は何も言わない(言わなかったのだと思う) 牛は相変わらず凝視していた
もう戻らないつもりで/(わたしは)/納屋に火をつけて/山を降りた
あれから羊は持っていない
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