あっという間に日常生活の一部に 入り込んで普及した携帯電話。 それとともに姿を消しつつある 町の公衆電話。 そんな最後の砦のような ニューヨーク8番街にある たったひとつの公衆電話(フォーンブース)のみで 1時間20分を見せきる演出(脚本)はなかなかのものです。
勿論コリン・ファレルの演技力にもあるのですが、 声だけしか出てこないキーファー・サザーランドの 心をざわざわさせるような 低音の声は、印象的です。 どうしてこう、いじわるな会話を 後から後から繰り出してくるかね(笑)って感じ。
舞台が地味だからこそ、 周りの人物描写が気になったりもする。 奥さんの存在だったり、 ちょっと余所見をしたくなるような可愛い女性の存在だったり。 警官や交渉人といった存在も。
主人公スチュの鎧のように固めた心の中心へ どんどん周りを削ぎとるよう 会話が浸透していく様は スリリング。うん。
フォーンブースを中心に カット割りされて 同時進行で状況を映す演出も、 地味な画面に あきさせない工夫が。 スチュの追い詰められた 心境がリアルに感じられて、良し(なんかえらそう)
公衆電話で、呼び鈴が鳴ったら やっぱり思わずとってしまうものかな。 非通知以前に絶対に知り合いのわけ ないと分かっているのにねー ってそれを言ったら物語は始まらないのでした。
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