銀河8丁目10番地の日誌

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TOS わたし負けましたわ  2004年10月18日(月)


「それでは、あなたがたの力を、試させて頂きます」

一斉に飛び来るシルフ3姉妹。
しいなとの契約のため、ロイドたちは戦闘に突入しました。
しかして、数分後。
事態はあっけなく、終わりを告げるのです。

「・・・負けた」

ロイドはがくりと、膝をつきました。
偶然にもかち合ってしまったボスなら、まだ負けも言い訳は付くでしょう。
しかし今回は、違います。こちらは準備万端・用意万全の状態での、作戦は”一気に行くぜ”。
ボス戦仕様での、満を持してのボス戦。
にも関わらず、完敗。

「まだまだのようですね」
「出直してくれば〜?」

シルフ三姉妹にケチョンケチョンに言いのされ、返す言葉も無いロイド。
一行、ソードマスター以来の敗戦という敗戦でした。

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「強いねーシルフ」

敗北したロイドたちはあっさりと見切りを付け、風の神殿(実際はパラ何とか王朝の遺跡とか言う名前なのですが、
プレイヤーの頭は覚えることができませんでした)を引き返していました。

「あれは・・・今は無理っぽいなぁ」

同じ敗北であっても、勝てそうかそうでないかの判断くらいは付くロイド(プレイヤー)です。
シルフ3姉妹は、3姉妹と名のつくだけあって、3匹で一斉にかかってきます。
誰か1匹を先に倒せば良い、という基礎戦法は既に初戦で試してしまっていました。
何であろうと、結果は、完全敗北。
つまり、何度も挑戦し直して勝てる相手では無い、と判断したのです。

「ってことは、先にイフリートだな」
「イフリート・・・って、トリエットだよね? どうやって戻るのさ」

試しにパルマコスタへ行ってみましたが、誰に聞いても、船は出してくれません。

「ルインを廻って、さらに進めば陸伝いに帰れそうだけれど・・・」
「陸伝い」

ロイド、イヤな思い出(第2回参照)が、脳裏を過ります。
しかし、今回はロングモードが使えるということを、今更に気付いて驚きます。

「で、イズールドに寄って補給、オサ山道、砂漠越え」
「長い道のりね・・」

リフィル先生は長ーい溜め息を吐きました。
第2回に比べれば、キャラクタたちのレベルも、プレイヤーのレベルも格段に上がってはいることでしょう。
しかし時間の浪費は確実です。

「でも、しいなのことを考えると取ってあげたい気もするしなー」
「ロイド、あんた・・・」

ほんのり顔を赤らめるしいなです。
が、

「だって弱いし」
「炸力符」

刹那、炸力符で吹っ飛んだロイドを無視し、一行は作戦会議を再開します。

「そもそも、しいなの契約って今やんなくても良い気がするんだよね」
「イベント的にも、時期的にも、ね」
「シルフのことなんて、この時点で誰も口にしてないもんねぇ」

光の精霊アスカの怪情報を教えてくれた、ノヴァさんの例があります。
つまり、おそらく冒険を進めていく過程で、”精霊集め”という行程がどこかに含まれているのでしょう。
(プレイヤーは、現時点でこの先のストーリー展開を知りません。)

「あれ?・・・でも、そう考えると、イフリートだって条件は同じだよね?」

コレット嬢、痛いところに気が付きました。
シルフと時を同じく、イフリートと契約しろ、なんてイベントはこの時点で起こり得るはずもありません。
何しろ、今更トリエットまで逆走する時間のロス。
現在位置的に近いシルフ(風の神殿)と違って、明らかにストーリー本筋を逸脱する行為です。
ロイドはあさっての方角を見て、ぽつりとつぶやきました。

「だってほら、シルフって・・・3匹いるじゃん」
「うん」
「イフリートなら1匹かもしれないじゃん」
「・・・ふーん」

一行(ロイド除く)は、冷めた目線を送ります。
1匹ならばタコ殴り。
アクション苦手プレイヤーによる、どちらが悪役だか分からない戦術により、かろうじて成り立つ勝利です。

「分かってくれ、みんな、しいなのためなんだ!」

こんなところで唐突に告白したところで、イフリートを取る必要は皆無です。
ロイド(プレイヤー)、どうも、しいなに甘いのです。

「よーし、みんな! トリエット目指して長旅にしゅっぱーつ!」
「おー!」

元気に拳を振り上げてくれたのは、天然コレット嬢だけでした。

後になって(というのはごく近い未来なのですが)、
ロイド一行は空を飛べる便利な乗り物をあっさりと入手し、
しかもトリエット遺跡近辺に、イベントで再びやって来ることになろうとは、この時点では露も知らず。

彼らが全行程を終えたのは実に4時間後のことでした。


パト / 宇宙書店

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