時々、彼女は 子供みたいに僕に甘えた。 とりあえずくっついていたい。 たまにそういう日があるようだ。 テレビを見る時も 僕が本を読んだりしている時も 寄りかかったり、枕にされたり 四六時中くっついていた。 そういう時は、僕は黙ってされるがままにすることにしている。 ヘタに僕もちょっかいをし返すと プイっと離れていってしまうからだ。 なんて性格の悪い猫だろうと、何度思ったことか。 僕に許されるのは 膝枕をしている時に、彼女の髪を撫でることまでだった。 どうやら髪を撫でられるのは好きなようで、 その時ばかりは大人しくしていた。 ゴロゴロとでも言いそうな顔が、可笑しかった。 髪まで猫っ毛だったから、やっぱりこいつは猫だ。と思った。
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