short story


2001年01月29日(月)


08-椎茸-
彼女は献立を決める時、
僕に、なにが食べたいか?とは聞いたことがない。
聞く必要がないと思ったのか。
聞いてもロクな返事が返ってこないと思ったのか。
ともかく、僕にはそれが心地よかった。
だから僕も、あれが食べたい。とかは言ったことがない。
その代わり、出されたものは全部食べる。
彼女の料理は旨かったから、簡単なことだった。

ただ、僕の嫌いな椎茸に気付いてからは
週に1回はメニューにそれが加えられるようになった。
これには参った。
よくもまぁあんなに椎茸の調理方法を見つけてくるものだ。
僕が椎茸に気付いて、あっ、と言うような顔をすると
必ず、にやっと笑った。
母親みたいなやつだ。と思った。

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日記才人