short story


2001年01月24日(水)


03-密かな楽しみ-
僕は彼女が来てからも、大体、昼くらいまで寝ていた。
ドアを開けて、またベッドに直行だ。
そして彼女は、主が寝ている部屋でなにをするかと思えば
まるで我が家にでもいるかのように
持参してきた袋菓子をテーブルに広げて
ファッション雑誌かなんかをペラペラめくったり
テレビのワイドショーを見たり、
窓の外をチラチラ見ながらコーヒーを飲んだりするくらいだった。
彼女は気付いていたかどうか知らないが
寝返りうち際に、時々そういった彼女の仕種を隠れ見るのが好きだった。

目を閉じて音や気配だけで探ると色々なことが分かる。
彼女のテンポとか、癖とか。
コーヒーを飲んだ後には必ず大きく息を吐いたし、
テレビでの面白い話をCM中に思い出して、くすっと笑ったりしていた。
時々だけど、僕の寝顔も覗き込んでいたようだ。
彼女の髪の毛が頬に触れた時は、
起きているのがバレているんじゃないかと思ったけど
やがて何事もなく窓の方へと行ったようだった。
どうやらバレていないようだ。
そうやってそのまま、また眠りにつくのが好きだった。

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日記才人