休日ともなれば、いつも彼女は僕の家に来た。 彼女の朝は早いから、僕はいつもそれで起こされた。 「チャイム鳴らしたら早く出てよね。ねぼすけ。」 僕の朝は遅いので、いつも彼女に怒られた。 「おまえこそ用もないのに朝っぱらから起こすなよな。」 こういった類の言葉で休日は始まる。 そういえば彼女と約束をして会ったことはない。 はじめて僕の部屋にやってきた時も 突然にチャイムが鳴り、慌てて部屋を片づけて彼女を迎え入れた。 電話の一本も入れてくれないかと申し出たこともあったが 「電話は嫌い。」の一言で片づけられてしまった。 結局、最後までアポなしの訪問は続き、 僕もだんだん散らかった部屋なんて気にしなくなって 見かねた彼女が掃除してくれるようになった。
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