short story


2001年01月23日(火)


02-休日の朝-
休日ともなれば、いつも彼女は僕の家に来た。
彼女の朝は早いから、僕はいつもそれで起こされた。
「チャイム鳴らしたら早く出てよね。ねぼすけ。」
僕の朝は遅いので、いつも彼女に怒られた。
「おまえこそ用もないのに朝っぱらから起こすなよな。」
こういった類の言葉で休日は始まる。
そういえば彼女と約束をして会ったことはない。
はじめて僕の部屋にやってきた時も
突然にチャイムが鳴り、慌てて部屋を片づけて彼女を迎え入れた。
電話の一本も入れてくれないかと申し出たこともあったが
「電話は嫌い。」の一言で片づけられてしまった。
結局、最後までアポなしの訪問は続き、
僕もだんだん散らかった部屋なんて気にしなくなって
見かねた彼女が掃除してくれるようになった。

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日記才人