short story


2001年01月22日(月)


01-大切な人-
以前、僕には大切な人がいた。
大切な女性だ。
そう言い切れる数少ない人だった。
彼女はいつも、少し変わった距離感で僕の側にいる人だった。
友達でもなく。恋人でもなく。
幼い頃から共に育ってきたわけでもないのに、
いつのまにやら一緒に時間を過ごすのが不自然じゃなくなっていた。
周りの友達にいくら説明しても理解してもらうことができなかったが
別に理解してもらおうとも思わなかったので、
二人は付き合っている。と噂されているのも気にはしなかった。
一度、彼女に
「俺達、付き合ってると思われてるぞ」
と言ったことがあった。
すると彼女は
「うん。知ってる。」
とだけ言った。
質問した意図はそういうことじゃなかったのだが
なんとなく納得してしまって、その話はそれきりしなかった。
それで良いような気がした。

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日記才人