+女 MEIKI 息+
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帰りの電車内で知人とバッタリ会った。 「どうしたん?ヤバイぐらいにいい女じゃん」 むふっ。褒めろ褒めろ! そうさ、あたしは今日はめちゃくちゃイイオンナなんさ♪ 今夜だけはどんな口説き文句を並べられても、付いて行かないからね。 いつものGパンに、ヨレたトレーナーで電車に乗っちまうことの何処がイイのか定かでないが。通勤帰りのような疲れた顔はしてなかっただけなんだろう。にひひ。
途中の乗り換え駅にて、父の帰社時間の頃なので父の携帯にかけてみる。丁度、駅前の蕎麦屋で夕食をとって店を出るところだとのこと。駅前の喫茶店にて、待ち合わす。父とデート。 わたしはファザコンである。 父が好きで大好きで、今でもそれは変わらない。理想の男性だと、学生の頃友人に話すたびに「はいはい」と流されていたほどに。 客席の多数ある大きな喫茶店に、先に入店し待つ。 一本目の煙草を吸い終わる頃に父が自動ドアを抜けて入ってきた。遠目から見る父が随分と小さく見えて、時の流れを感じた。その場で立ち上がり、手を振る。にこやかな顔をして近づくのを迎えると、やっぱり相変わらず嬉しくなる。 「なんだい?おまえ今日は随分とご機嫌じゃないか」 開口一番、指摘された。 母の体調の話しに始まって、いつものように取りとめのないお喋りが続き、あまり遅くならないうちにと帰された。 店を出て、駅のエスかレターに乗りながら通りを歩いていく父の背中を眺めると、そこにもまた時が流れたことを少し感じた。 やっぱり、相変わらず大好きだけど。
そんな訳で、陽気のせいでちょっと頭の温かい感じのヤツが、ここに一人。 って、顔色一つでバレるってのもどーかと。
多かれ少なかれ、何某かの問題を抱えて、そのことに腰まで浸かって身動きできないでいた時に、柔らかい毛布に包んでくれるようずっと傍らに居て、懲りずに付き合ってくれていた人と逢った帰り道。いつしか大切に想う人になったその人の、優しい瞳に触れたのだもの、そりゃ堪らなく嬉しくなるもんさ。今夜は、文句なしの満点。
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