+女 MEIKI 息+
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自分の中に在る感情を分類分け出来ないことは怖い。
何をどうしたものかと整理の付かない思いは、たらふく夕食を食べれば解消できるかしら?と試みて、それでもダメみたいなので、TVドラマなんぞを観てたら瞼が重くなってきたのでベッドに移動した。 ベッドに入って、やっぱりこりゃリンダ(オカマ)にグチグチと言ってみるかと電話をかけると、珍しく留守電。能天気な発信音の後に、こちらも珍しくメッセージを入れておいた。
「訳が分かんないのよ。話せば樂しいし、居なきゃ居ないで時間は潰せてるんだけど、意味なく泣きそうになったりして…」 ピーッ!
「人前で泣くのはイヤなの…」 ピーッ!
立て続けに留守電入れてやろうかと思ったけど、睡魔に負けて携帯を握り締めたまま眠ってしまった。 朝に気づくとメールが受信されていた。
件名 ばっかじゃないの!
あんたね、相手がソレで良いって言ってんだからソレでいい。甘えるのが下手だって程があるわよ。「わかんなぁーい」とか、時代遅れの小娘みたいなことをあんたが言って通用するとでも思ってんの? 本当ばっかじゃないの。 人前ってペットだから泣いてたって訳?あんたのことだからペットの前だって泣いてないんでしょうよ。 ツベコベ抜かしてると、あたしがペニバン付けてぶち込みに行くからね、覚悟してなさい!ヒーヒー鳴かせてあげるわよ。 てへ☆
そうか、そうか、奴は工事は済んでたのねと、ペニバンのワードで改めて感心してみたり。いや、そうでなく朝っぱらから「ばっかじゃないの」と励ましてもらった。
昼過ぎの頃合をみて、電話をしてみた。 いつものように、まるでテレクラに電話したのかと勘違いするほどの素早い対応で「なによー」のダルい声。
「あんたのメール打つのに、彼をとっとと先に寝かせつけて大変だったんだからね」
「ああ、悪かったね」
「ったく、悪かったなんてちっとも思ってない癖に言うんじゃないわよ」
「いや、思ってるってば」
「あんたさ…、具合悪いの?死期が近いとか?」
「ん。そうかもしれない」
「良かった、元気そうで。ご飯食べた?ちゃんと寝た?ンコ出た?」
「ん。全部おっけー」
「なによそれ。どっか一つぐらい欠けてから電話してきなさいよ」
「そーゆーあんたはどうなのよ?」
「あたし?あたしはホラ、ビタミン剤も飲んでるからお肌だってスベスベよぉ♪」
「んだよ…。少しは訳分かんないことでジタバタしてみなよ」
「男がね、女やってんだから既に訳分かんないちゅーの。そのぐらいも分かんないなんて、あんたってホント頭わるぅ」
「ああ、確かに」
「げ、納得してやんの。なにさ、素直に返事して。あんた喧嘩売りに電話してきたわけ?」
「ううん」
「あ、そ。1時間、あんたその場を動くんじゃないわよ!」
プツッ、ツー。電話は切られた。 ヤ、ヤバイ。彼女が来る。じたばた、どぎまぎ。
ほんの数分の後、彼女からのと知らせる着信音が鳴った。
「うふっ。リンダちゃんのイタズラ、ドキドキしちゃった?」
「あほか、おまぃ…」
「彼がね、一緒に居たいって。女のあんたより男が大事だから、あんたはこの次ね」
「そのまま一生、次が来ないように祈っとく」
「ぶははは」
プツッ、ツー。
あんたさぁ、女にしとくにゃ勿体無いよ。 男だったら惚れてたのに。って思ったけど、物凄い寒気がしたので撤回します。
訳のわかんないことは続くもんだ。
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