+女 MEIKI 息+
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「ハァィ!くら〜い、くら〜い、くら〜い♪」と無理矢理な落ち武者の声色を真似た、野太い声で朝っぱらからモーニングコールを受けました。寝ぼけながらも「ナイスですねぇ〜」と答え、即座に電話を切った自分を褒めてあげたいと思います。
夕方に「…そんなこと言うなよ」とボソボソした声での反撃があるとは予想できなかったけど。
「どうしてKISSなんかしたのよ」って泣きながら帰ったのはもう随分と遠い昔。大好きな人はKISSなんかしてこないと勝手に思い込んでいて、裏切られたようにさえ感じる、まるでヒロインよろしくその時は物凄く悲しかったのだけは覚えている。 しゃあしゃあと、他の人とは色々してたとしても好きな人とはしたくないって思ってたアノ頃ってなんだったんだろ。
同じ電車に乗り合わせてしまった偶然。 程よい混雑加減は見上げたすぐ先に相手の唇を見つめさせて、その形のいい薄い唇が動く度に苦しくさせた。もっとはしゃいで喋れば良かったとか、そんなくだらないことを考えながら駅からの帰り道。冷たい雨を避けるようにとコンビニに寄って温かい缶コーヒーを一本レジに通す。ヒラッとしたレシートと小銭を受け取った。小銭をポケットにそのまま入れると、指先にあたる走り書きの電話番号を書きとめた紙。それと一緒にレシートは店先のゴミ箱に入れた。
色は ブンズ色。 またの名をドドメ色。
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