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2006年10月23日(月) 山葵おろし



 ちょっと上等な山葵おろしには、鮫皮が使われている。これで円を描くように擦ると、ねっとりとした山葵ができる。銅製のそれですると、ショウガを擦った時に近い状態になる。最近、日本刀の中でも鎌倉刀に興味があって、バラバラに分解した図を見ていたら、握りの部分に、鮫皮が使われている事を知った。
膠できつく巻き締める事で、木製の柄は、茎(なかご−刃から続く握りの金属部−)が暴れても破壊されない強さを持つ。ここで、いままでずっと「鮫皮」は、Shark skin、 文字通り鮫の皮だと頭から信じて疑う事は無かった。ところが、これが大きな間違いである事がわかった。
「古事記」「出雲国風土記」に見える「和邇(わに)」が(鱶−ふか−または鰐−わに−)と同じ、いまで言うshark(さめ)の事で、昔は海鷂魚(エイ)の事を「さめ」といった。
だから、山葵おろしの鮫皮というのは、あの平べったいエイの白い腹の部分なのだった。知らなんだ。



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