目次過去未来


2002年11月03日(日) 紛(まが)い者まかり通る



 うららかな三連休、国旗は半旗を掲げている。
今日は憲法公布、そして明治節(明治天皇誕生日)である。戦後GHQ(連合国総司令部)によって、半ば強制的に文化の日に変えられた。これは日本悪、戦前は全て暗黒とする暗黒史観を植え付けるために行われた。
  
 今の時期、界隈は紅葉の季節にともなって、河原町並みの人出である。哲学の道界隈も多くの人々でにぎわっている。最近なぜか、フランス語圏の人が多い。フランス語を結構散歩途中に聞く。
ある昼下がり、舞妓が哲学の道を散歩している。よそから来た人が見ると、京都だなぁと、感じてしまうのではないか。
昨日も、岡崎の美術館近くで、舞妓が二人、人力車に乗って疎水縁を巡っていた。
この光景に異国から来た人達は、思わずカメラ・ビデオをまわすだろう。異国の人達は、これが真っ赤な偽物だとはよもや思うまい。
これはどこぞの企画会社が考え出した。旅行者の物好きに、安物の着物を着せ、鬘(かつら)をつけさせ、一回なんぼで、京都の観光地を歩かせるのである。
そうとは知らない観光客はカメラを向けビデオを撮る。ジーパン洋服でそだった者が、俄に着物を着たところで、その立ち居振る舞いまで真似できるわけではない。外股で、靴のように歩くから見られたものではない。雨が降った後の水たまりを歩くと、跳ねで着物の裾はべしゃべしゃだ、着物を着慣れているご婦人はそういう跳ねがほとんどつかないのを見たことがある。
ところが目出度いことに、写す側も、同じ穴の狢(むじな)であるから、そう言う事に頓着しない。
 いつも利用しているタクシーの運転手が嘆いていた。着物から何から芸妓は、こんな時間に散歩なぞしないし、あんな着方はしない。今の時間は厳しいお稽古ごとに奔走しているはずだと。
一番困るのは、乗せた外国人がそれを見て、日本を誤解することだと。
そうだろう、お笑いタレントが、よく外国の地で必要以上にはしゃいで、恥を売りに行っているのを見るが、京都では、内で外から来ている客に、恥を売っている。

見た外人客は、がに股で闊歩し、大声で喋り、西洋歩きで歩く、白塗りの、安モンの着物を着た、バナナのお姉さん方を、日本の文化だと見て帰り、自国で吹聴することだろう。グロである。
 自国の古来からの文化を、「和風が今流行」などと平気で言う、お前は何ものだ!根っ子を無くしてふらふらと彷徨い、髪染め(茶髪)に強力な発ガン性物質が含まれていると分かって今あわてふためいてももう遅い。
 黒い髪が洋服に似合わないと言われて従い、ロックに日本語は馴染まないといわれて、「カモンベイビー」と唄い、ついに着物も服も着こなせないまま、みんなしてどこへ行くのだ。
 かくて外は国家主権の、内は固有文化喪失で日本は滅びる。










myrte21 |MAILHomePage