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2002年03月03日(日) |
それでも友達になりたいか? |
中国の、人気ネット愛好者のいる「新浪網」で、水中調査開始への意見を求めたサイトには、四日間で約五百通の投稿があって、その多くが「対日開戦を」「調査船を撃沈せよ」「核攻撃すべし」と言う意見が多く見られて、中国政府の対応の軟弱さを逆に批判しているという。 日本で逆の事が起ったら、一般の国民がこれほどまでに激昂し、日中開戦だの調査船を撃沈せよだのと言うだろうか? 中国政府自身が不審船に対しては、双方で慎重に対処すると言うことで合意しているにもかかわらず、である。どうしてそう言う風に考えがなるのか?
ここで中国の教科書を見てみよう。一体日本がどう書かれているか。まず、書かれ方は中国共産党製の一種類の国定教科書、言ってみれば歴史観は一つだけで、(日本は、基本的な事は共通させる事はあっても、歴史観はいろいろな解釈の下、教科書が複数作られる)選択の自由はない。内容は、日本の記述が全体のバランスを欠くほど異様に多い。「抗日(日本に対する闘争)」の事ばかりほぼ全体を埋めている。
小学校高学年用読本に『小学生が知らねぱならない中国の十の話』という教科書があり、全体で十章のうち、三章が日本の侵略残虐、そして中国の抗日闘争のみ記している 高校生用の『中国近代現代史下巻』は一九二〇年〜九〇年代までの約八十年間、合計二十三の章のうちの九章が日本との戦争が書かれている。中国の現代史のうち全体の四〇%が抗日の闘争を教えることに捧げられているというのが、中国歴史教育の実態なのだ。
歴史教科書が一様に日本の「侵略・残虐」を目一杯、きわめて頻繁に、しかも「残虐性」を強烈に印象づけるために多数の絵や写真を載せ、その上さらに生々しい描写で教える。例えば、日本軍の南京の攻略占領について、「日本の侵略軍はわが同胞の中国人を銃撃し、銃剣で刺し軍刀で首を切り腹を切り裂き、溺れさせ生き埋めにし、殺人ゲームを楽しみました。南京城内には血が川のように流れ、死体が山のように積み上げられました」「日本の悪者どもは恥をなくして、婦女を暴行し、十二歳の幼い女の子から六十歳以上のおばあさんまで逃がしませんでした。彼らは狂ったように人間を殺すことで勝利を祝ったのです」(当時安全区に一般人はいて、こういう事件はありえない) 以上が、小学校四年生、五年生への歴史教育のほんの始まりなのだ。
公式の中国教師用教育指導要項
「南京大虐殺については血に満ち満ちた事実により、日本帝国主義の中国侵略戦争での残虐性と野蛮性を暴露せよ。教師は授業ではとくに日本軍の残虐行為の部分を生徒に裏側に読ませて、日本帝国主義への深い恨みと激しい怒りを触発きせ、生徒の胸に刻ませよ」 とある。要するに国をあげての激しい憎しみ・憎悪を小さい頃から教えて仮想敵国として育てている。韓国もまったく同じだ。 中国の教科書に登場する「日本人」は米国での卑称「ジャップ」と同じ意味合いの「日本鬼子」「日寇」「倭寇」という侮蔑的な呼称で呼ぱれている事も覚えて置いていい。
日本の「侵略性・残虐性」が生徒達の頭に膨大な分量、生々しく強烈な形で不断にたたきこまれるのに、一九四五年八月に戦争が終わった瞬間から教科書から日本は消えてしまう。戦後の平和的な日本については何も教わらない。中国の教科書は戦後の平和主義的な日本についても、日本が中国と和解したことについても、なにも教えない。 日本の平和主義的な憲法についても、日本の中国への巨額の経済援助供与についても、なにも教えない。戦後の一貫した中国への友好的な姿勢も中国の教科書に記されることはない。だから中国の生徒たちが日本につい.て学ぶのは、日本の戦時の侵略と残虐だけとなる、このままで、成長し、インターネットを始めたらどうなるか?冒頭に書いたようになる。
参考文献:古森義久著書全般
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