日々の泡・あるいは魚の寝言

2001年01月08日(月) さよなら、ランちゃん

いまはまだ、きちんとしたことを書く気力はありませんが、記録のために、少しでも彼女のことを書いておこうと思います。

ランコが死にました。
あと少しで10才になるクリームペルシャでした。
死因は、腎不全。尿毒症です。
最期は、もうだめだとわかったので、うちで見とりました。
死ぬ前の一日ほどのあいだは、もう、金色の目が見えなくなって、精一杯に目を見開いたまま寝ていました。でもたまに顔を上げて、その目で、私たち家族の方を見つめていました。さがすように。声をかけると安心してまた寝るのです。
わたしと母が少しそばを離れて、台所で話していたら、よろめきながら、でもすごい速度で台所の方にやってきて、倒れたりしました。
ランコは、苦しくて不安で、私たち(というより、わたしの)そばにいたかったのだと思います。

耳だけは最後まで聞こえていたようです。
わたしと家族のあいだの会話の中の「水」という言葉に反応したので、もしかしたらと思って、水をくんできたら、ぺちゃぺちゃと飲んでくれました。身体を支えて飲ませたのです。とてものどが渇いていたようでした。
でも、そうやって、何回か飲んだあとに、水を吐き出して、そうして死にました。
最後に、「かわいい、ランちゃん」(この猫は「かわいい」といわれるのが好きでした)「楽しかったね」と、耳に口をつけて、いってやりました。

ふわふわの猫だったので、死んだあとも見た目は変わらす、ぬいぐるみのような姿のままでした。お気に入りのバスケットに入れて、好物のカリカリをいれて、おやつもいれて、好きなおもちゃを持たせて、お花を一杯飾ってあげました。ちょうど咲いていた雪割草も、一輪いれました。いつもどおり眠っているようでした。
そのまま、首輪ははずさずに、ペット霊園で、火葬にしました。
思い出に首輪も名札も残したかったけど、はずすとうちの猫じゃなくなるから。

ランコを死なせてしまったことに関しては、いろいろと悔やまれることもあるけど、わたしはいつだって、飼い主として自分にやれるだけの世話はしてきたし、勉強もしてきたつもりなので、後悔しないようにしたいと思っています。

ありがとう、ランちゃん。
あなたがわたしのことを大好きだったように、わたしもあなたが大好きでした。


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