日々の泡・あるいは魚の寝言

2000年12月25日(月) 猫のこと

今日もなにやらばたばたしてすごしました。
近所の本屋さんで、『ドリトル先生の英国』(南條竹則)という本をゲット。中公新書を買ったものだと思っていたら、家に帰ってびっくり。文春新書だった。
ちなみに著者の名前をどこかでみたなと思っていたら、ファンタジー大賞を受賞した経験のある方だった(本は未読ですが。『酒仙』という本です)。
ドリトル先生シリーズの書かれた19世紀のイギリスの社会を彩り形作っていた、さまざまな事柄について書かれた本らしい。
袖に書いてある、「アブラミのお菓子、オランダボウフウなど、積年の疑問もこの本で氷解します」という文章が、かなりいい感じです。
近所の書店さんも、数年前から、いろいろ「かゆいところに手が届く」本をいれてくれるようになったので、街の小さい本屋さんなんだけど、大規模店にもまけてない感じです。お散歩の途中に、新書が買えるというのはありがたい。

もっとも、そこに今日行ったのは、いきつけのサイトの管理人さんのお写真が、とある自転車雑誌(?)にのったらしいので、それをさがしにいったのですが…。
そちらはさすがになかったみたい。
やっぱり、街に行かなきゃかな?

さて。一部の方にその後をたずねられる、猫情報です。
ペルシャ猫のランコちゃんですが、どうも、腰だけでなく、足も痛めてるんじゃないかなあという気がします。ありがたいことにポプラ社さんから、ルルーの増刷分の印税が振り込まれてきたので、そのお金で年内にもう一度、通院しようかな。

しかしこのランコ、性格がまるで野生の猫。さわられるのが嫌い、だっこなんてもってのほか、なるべくなら目もあわせないで、という猫なのです。
それがこのごろ、腰の痛みのせいか、別猫のようにおとなしくだっこされるので(首を人間の胸にもたせかけてのどを鳴らしたりするし!)、これ幸いとふだんゆきとどかない毛の手入れなどをしている不良飼い主なのでした。

でも、今日もいい気になって、毛玉さがしとかしていたら、地響きのようなうなり声を立て始め、いきなり、ぷつっと…。
そうです。服の袖の上から、爪をくいこませてくれたのです。
うう。
あとでみたら、みみずばれになって、血がにじんでいました。

猫はふつう、赤ちゃん時代は社交性があるものらしいですが、ランコは、うちに来た当時から野生に生きていました(笑)。
人になれないし、そばにこないし、めずらしくよってきてのどを鳴らしてると思うと、次の瞬間には、てかげんなしで、かむ蹴るひっかくの三拍子…。
当時の彼女にけ飛ばされた傷跡は、今もまるでためらい傷のように、手首に残っております。

でも、社交性がない猫でも、かわいくないわけじゃないです。
家族が集まってたのしそうに話していると、いつのまにか、すうっと姿を現して、少し離れたところから、目を細めて、のどを鳴らしているランコが、わたしはいとしいと思います。
そりゃ蹴られて血が出れば、本気で怒りますけど、でもすぐに彼女は反省するし。
(でも猫なので、何度でも同じことを繰り返す…)。

二匹目の猫、縞三毛レニちゃんが、「生後一日で捨てられていた不憫さ」「それをほ乳瓶で育てた大切さ」「視線で感情のやりとりができる敏感さ」の三拍子で、手放しでかわいがられているのからすると、いささか分が悪いのですが。
でも、家の中を、音もなくすうっと歩いているランコがいなくなったら、きっと、空気が薄くなったように、息苦しく切なくなると思います。
もう九年もいっしょにいるので。

今日は、ケーキを買ってきました。ショートケーキを三つ。
近所のケーキやさんは、「クリスマスですから」と、苺ショートに、ひいらぎの葉の飾りをつけてくれました。
クリームは、二匹の猫にもわけてあげました。
猫たちがクリームをなめるときの柔和な顔が、わたしはとても好きです。


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