西方見聞録...マルコ

 

 

他者のいないクニ - 2012年12月25日(火)

 さて、なんか身もふたもないお題ですが、先日ついったーの方で敬愛するライターの女性(彼女は在日コリアンであるという属性を明らかにして文筆活動をしている)が「差別されるのが嫌なら日本に帰化しろ」という言葉を投げつけられているのに遭遇しました。(文字にしてみるといったいなに様が何の権利でそういうことをおっしゃっておられるのか眩暈がしますが今ついったーでそういう文字列は普通に飛び交っています。その事実も文字にしてみると、もう一度眩暈)

そこでわたくし的にもちょっとなんか言いたくなったので、このようにつぶやいてみました。
「外国人差別が嫌なら帰化しろという人は、女性差別が嫌なら性転換しろっていうのかな。いずれにしろそこにあるのは、あるがままの自分の否定。」


 そしたら自称16歳の少女(でもほんとは56歳くらいのおっさんなんではと想像している。匿名のネット空間というのはそういうところだ)からこのような返信をもらっちゃいました。
「@yamadamaruko 女性が日本人なら、帰るべき場所も日本ですが、外国人の方は本国に帰ることの出来る場所があります。本国に帰りあるがままに生ければよろしいのでは無いでしょうか?」

 すごいですね。「帰化しろ、さもなくば先祖の出身国へ帰れ。」

 こういう排外主義者の夢が実現したクニってのは想像すると、メンバー全員息がつまりそうです。

 なにより同質性を激しく求められる排外主義者の夢のクニでは他者との対話は成立せず国際的コミュニケーション障害に陥って国際的孤立に陥る未来が透けて見えます。あ、過去にも1回経験済みですね。

 マイノリティとしての意見、異見を持つ他者が発言する回路を保持することは誰のためでもない、マジョリティといわれる人の生存のためにもまた必要なことだと強く思います。この国のありようを相対視して、国際コミュニケーションの回路を開く、あるいはこの社会の生きにくさを指摘し、社会改革の起点を示す。そういう異なる声を上げるという行為の社会資源としての価値を認識できず、批判する者を敵対者として排除もしくは沈黙を強要することは大変「公益」に反する行動であることを大掃除合間にちょっと指摘しておきたいです。
  

 






 


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