西方見聞録...マルコ

 

 

異世界と交信しているヒトを観る - 2012年03月09日(金)

草間弥生展が国立国際美術館で行われているので行ってきました。
 なんちゅうかね。そこは異界だ〜♪って感じで中島みゆきっぽく歌って正気を保ってLet's Go。とてもたくさんの方が観に来ていて、いつも他人を気にせず観る事の出来る(まあ他の言葉で言うと割りと空いている)国際美、本日は人気でした。  

 しかし異界構築度の高い作家さんで、作家さんは異界と通信している感じでした。





 ちょっと樹木希林に似てますが、御年80歳を超えてあふれ出す創作意欲をキャンパスに描き続ける氏の品群はアボリジニ作家のエミリー・カーメ・ウングワレーの作品群を彷彿とさせました。






 中は撮影可の場所が何箇所かあります。でも私はカメラもって入らなかったので、出口出た後、上の階から許可を頂撮影したかぼちゃのオブジェです。




 う〜んこれもすごい。
 気分が悪くなるヒトもいらっしゃるそうです。閲覧注意。


 展覧会はモノクロの「愛はとこしえ」シリーズと色彩豊かな「わが永遠の魂」シリーズ、そして新作ポートレートと彫刻群でした。「魂の灯」は強く気を持たないと異界に連れ去られて戻れない感じがするのでご注意を。

 「愛はとこしえ」シリーズモノクロで「眼」がたくさん書かれているのですが、その「眼」がなんか細胞と核のように見えてきて、たくさんの眼から感じる圧迫に、世論の細胞って人の視線だな〜とか考えました。

 最後にビデオで現在の草間氏のインタヴュー、創作風景、そして若かりし頃の映像をちりばめたショートフィルムがあるのですが、これはいろいろと興味深かったです。

 松本の少女時代、京都の芸大で日本画専攻してた時代(何で日本画?)生きる場を見つけるのは難しそうだなとか。そしてニューヨークを皮切りに「ハプニング」というパフォーマンスをやっている映像の若い黒髪の草間氏はなんかいろいろと存在自体が意味づけをされてたんだろうなとか。様々なことをイメージさせる映像でした。
 そんでも様々な分野の表現を精力的に発信していた若い頃の彼女の活動は勉強不足で知らなかったのですが、 とにかく長い旅路の末に、今の草間ワールドが構築されてきたのですな。

 とにかく今観といたほうがいい美術展の一つだと感じました。気を強く持ってお臨みください。
 


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