西方見聞録...マルコ

 

 

老人☆イニシエーション - 2010年01月16日(土)


「カールじいさんの空飛ぶ家」というピクサー印の映画を見に行った。
 
 青春と決別し、老後人生に足を踏み出そうとする老人のイニシエーション(通過儀礼)を描いた物語。

 青年としての死(再開発がらみで現実世界から放逐され、象徴的天国としてのパラダイスの滝をめざす)と、老人としての再生(孫世代との絆を艫綱に現実世界へ帰還)、さらに死と再生の間の彼岸(英雄が敵として反転する逆転の秩序の世界)が描かれる。

 妻エリーの死は、重要そうに見えて物語の構造としては青春の終わりの象徴であり、現実との絆の切れる契機でしかないのが印象的だった。

 子どもも楽しめる場面はあったけど観終ったおKさんの最初の一言は「コレまでで見た映画で一番つまらない」だった(しかしそういうことを映画つれて来てくれた人=ワタシに平気で言い放つところが、きみのスゴイところだ。気遣いの人1号さんが震えてワタシの顔をうかがってたぞ)。

 たしかに犬や鳥が出てきて子どもも楽しめるようにしてるけどさ、孫は老人を現世につなぐために存在してるんじゃないもんね。オトナ目線の映画であったといえるでしょう。

 老後を意識し始めた人にはお勧め!


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