西方見聞録...マルコ

 

 

香山リカ 「しがみつかない生き方」と今の気持ち - 2009年09月02日(水)

 香山リカの「しがみつかない生き方」を読んだ。

 最終章で「幸せになるためには『勝間和代』を目指さない。」という指摘が秀逸だった。

 成功は自分の努力の成果と人は思いがちだが上手く行くのも行かないのも運によるところが大きい。成功のためのノウハウをたどれば誰でも成功するのではなく、また、失敗したのは本人のやり方がまずかったのではなく、何だって時の運で、誰でも成功するかもしれないし、運によって失敗するかもしれない。自分が失敗する確率だってすごく大きいんだから目のくらむような成功を目指さず、失敗者の存在を否認せず、ほどほどの幸せを目指して、もし運よく成功したら失敗者が滑り落ちないような社会の仕組みづくりを考えるべきだ。というのがその章の趣旨、と理解した。

 そのとおりだと思った。

 私が運がいいと思うのは今の家族のメンバーに出会えたことだ。

 もしかしたら明日この感想は覆るかもしれない。でも今そう思えることにまずは感謝だ。

 昨日、正式に博士論文の審査に通った。何度も駄目だと思った。調査させてもらった人たちに顔向けができない、子どもとの時間を犠牲にしたのに成果が得られなかったらどうしようと夜中に目が覚めて涙が出たのも1度や2度ではない。

 でも本当に運が味方してくれた。ゆめゆめ自分の努力の成果とは思うまい。自分の実力が紙の様な物であることもすごくよくわかった6年半だった。博士号が取れたからと言って何が変わるわけではなく明日からも楽しく夫の扶養内で働く高学歴難民のままだが、とにかくこの6年半の時間に区切りがついた。

 調査先の人々と子ども達にまずは感謝だ。

 こんな私に出会ってくれてありがとう。


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