キャリア転換をめぐる物語 - 2006年06月18日(日) 、、、なんかたいそうなお題ですが、チャングムの話です。 さて土曜日はチャングムデー。夜7時半からアニメ「少女チャングムの夢」を見た後、子らの就寝後、午後11時10分より実写の「大長今(邦題:宮廷女官チャングムの誓い)」が放映されます。うちでは両方、録画します。そんで子らのリクエストにより1週間繰り返し繰り返し再生し、1週間後新しいチャングムをその上に重ね録画します。 天晴れな嵌りようで、「おなら、お〜ならあじゅおな〜」という朝鮮古語による主題歌を8歳児1号サンはもちろん4歳児のおKサンまで完璧に歌います。 そんで母としてはやっぱ実写版チャングムのほうに夢中なわけですが、年末、東京の実家で最終三話だけ見て「おもしろい!」とか言ってて、たいへん長年のファンの皆様には失礼なことでした。あの最終部分にいたるまでこんなに大変な話だったとは知りませんでした。ちょんほさまのあの場面もこうやって長い歴史を知った上で見たらぜんぜん違う意味付けをしたことでしょうよ。ええ。 チャングムは最初宮廷の料理担当の女官だったんですが途中で師匠と一緒に謀反の疑いをかけられて、料理担当女官のトップの最高尚宮(ちぇごさんぐん)になるという母の遺言でもある夢を絶たれ、奴婢として島流しにあいます。そんで島流し先で「医女(女性専用の医師)になれば宮廷に戻れる」と知って宮廷に戻りたい、戻って自分と師匠とさらに母親を陥れた人たちに復讐したいという一心で医術を習得し、先週やっと宮廷の医女試験に受かって半年間の修練生としての生活を始めるところまで話が進みました。 そんでチャングムは自分の能力へのうぬぼれから修練所の教官の医師に「おまえは医師になる品性がない!」と怒られちゃうのが前回の主な筋でした。で結局、同僚の修練医女(シンビ)の愚直なまでに患者に寄り添う姿勢から「自分にかけていたのは患者への謙虚さだ」とチャングムは気づくわけです。この料理人から医師へのキャリア転換とその転換に悩むチャングムの姿に、結構マルコは痛かったです。 チャングムは「うぬぼれ」やすいキャラクター設定でそこがうまい話作りだという意見もMIXIのチャングム・コミュでいっぱい見受けられますが、問題はそこではないと思うのですよ。キャリア転換を迫られたチャングムにとって医術は最初から志した道でもなければ、患者を救いたいという強烈な熱意もないわけです。彼女にとって医術も患者も宮廷に戻るためのキャリアアップの手段としてしか捕らえられないでいるわけです。ここで医の心とは何ぞや彼女自身がとらえなおすのが、今回第33話「うぬぼれ」の主題だったんではないでしょうか。 私自身キャリア転換はなんだかいろいろあったわけですが研究ってのは私の社会復帰の手段であったり、研究主題をラオスの女子教育から国内のニューカマー児童への教育支援に変更したのも、なんか手段としてそれを選択したような部分もあるわけです。チャングムが医の心を問い直されたようにマルコも今の研究への真摯さを問い直さねばならんなと思ったりもしました。 そんでチャングムが真に医師として患者に寄り添うようになっていく過程は、謀反の罪で島流し〜だの師匠は島流しになる途中自分の背中で息絶えた〜だのな過酷な試練によって損なわれたチャングムの魂のリハビリの過程でもあるのかな〜と思いました。チョンホ様はチャングムが復讐に凝り固まってようが、医術はキャリアの手段と断言しようが、「ちょっとあいつ(ちゃんぐむ)にそれは違うって一言言ってやれよ」とウンベク医師に言われようが愚直にチャングムのかなり間違って突っ走ってる姿を受け入れて「そうだね〜、そうだよね〜」と肯定しつづけるのはなんかカウンセラーの人みたいですな。 、、、、今回はチャングムを見ていない人にはさっぱりわからない話になりました。しつれ〜 参考サイト ttp://www.terebi.jp/solcov_b チャングムストーリーガイド ここの第33話が先週の話。みんないっしょにチャングムを見て、そしてともにはまろう! ...
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