西方見聞録...マルコ

 

 

草葉の影でむせび泣くガスパール - 2005年01月28日(金)

 帰途の大和路快速車中、隣席に座ってた白髪の老紳士が「日O新聞」を読んでいた。しかも例の小説の載っている面を食い入るようによんでらっさる。もう「うわっ不潔!」って感じである。ちょっと前まではX経新聞を熱心に読んでる人はそれなりに尊敬されていたわけだが、今では「エロ雑誌買う勇気のないエロ親父」という目で見られてしまうんである。

 皆さん、日O新聞は人目を気にしてこそこそ読みましょう。人前で読んだら恥ずかしいです。

 何でそんなに日O新聞が切ない立場になっちゃったかというとこの「にっけいしんぶん新聞」という突っ込みブログを読んでいただけばわかるように、現在その新聞で渡辺淳一先生の「失楽園」の2匹目の泥鰌をねらった「愛の流刑地」が連載されているんである。とにかく出てくる女主人公が「いねえよ、そんなやつ」みたいなオヤジの願望を具現化したような人物像で読んでてくらくらしてしまう。そのありえない女主人公「36歳3人の子持ち」という設定も、「37歳2人の子持ちのマルコ」からみると気持ち悪くてげろを吐きそうである。

 さて上でリンクを張った「にっけいしんぶん新聞」さんのブログは愛の流刑地(略してアイルケ)への突っ込みの楽しさもあいまって今大変人気である。このまえは「AERA]にまで紹介されていた。そんなわけでどうも渡辺センセイ、もしくは日O本紙の「愛の流刑地」担当者もこの「突っ込みブログ」を読んでるんじゃないの?という気がする。

 主人公と、女主人公が初めて性交渉に及んだ時、「にっけいしんぶん新聞」紙上では「避妊具もつけないで性行為におよぶ人妻@子持ちと、それを愛の証のように感動している男。」(コピーbyれいこなさん)に対するブーイングがうずまいた。その約1ヵ月半後、日O紙上で当該小説の主人公と女主人公が3度目の性交渉に及んだ時に大変説明的に「避妊は女主人公側が既にしている」という場面が挿入された。

 さてネット上での読者の突っ込みを受け、作者が物語を改変する。なんだか既視感のある光景だ。

 平成3年に筒井康隆が朝日新聞紙上行った実験的小説「朝のガスパール」だ。当時インターネットはまだ発達しておらずパソコン通信で読者と作者は意見を交換しあいながら物語は進行した。そのころパソコン通信にアクセスできた人はまだ少なく、一部でもりあがって物語が形作られて行ったような印象があった。

 10年早かったです>筒井先生。そして渡辺先生なんて言う超古色蒼然とした方にそれをやられるとは。

 今のインターネット環境でガスパールをやったら一体どういうことになるのかな。


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