【復活!】ダイエットなDIARY
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2002年02月23日(土) 独歩

そういうわけで湯河原へ行ってきた。


上司が慰労の意味をこめて予約してくれていたのである。





職場が川崎なので東名川崎I.C.から高速に乗り、小田原厚木有料道路、真鶴有料道路とシームレスにつながっているので、湯河原への車の便はいい。



で、着いたホテルはなんとペンションであった。




ライトブルーのかわいい建物で、当然のことながら他の客はみなカップルばかりである。


貸切り露天風呂などもあって、そこは内側から鍵がかかるようになっていたりして、どこもかしこもカップル仕様である。


幸いなことに貞操の危機は免れたが(笑)。



翌日は梅林へ行ったり、干物を買ったりと、実に渋い観光を済ませた(笑)。


なかでもすばらしかったのは湯河原町の町営施設である「独歩の湯」である。


この温泉は非常に変わっている。



そもそも湯河原は島崎藤村をはじめ、明治以降の文人に愛された温泉街である。

国木田独歩も湯河原の渓谷がワーズワースの詩に描かれた情景と酷似していたことから感銘を受けたと書き残しているらしい。

しかしワーズワースが湯河原を知っていたとは思えないので、これはあくまでも独歩がそう感じただけである。


で、その渓谷の一角に独歩の文学碑が建ち、さらに独歩の湯という町営の温泉施設があるのである。


さて、どこが変わっているかというと、この温泉は足だけしか入れない。

景観も、温泉というよりも公園といったカンジである。

そのここかしこに、深さ20センチほどの浅いプールのような風呂が7つぐらい設けられている。

プールの底には足の裏のツボを刺激する小石が敷き詰められている。



その小石を踏むことによってツボが刺激されるわけであるが、各風呂によって埋め込まれた小石の質や間隔が異なっている。

お湯はもちろん源泉を利用した温泉であり、コンピュータ制御によって各風呂毎にそれぞれ温度が違う。


何故、小石や温度が違うのかといえば、それは風呂毎に踏む小石や温度によって得られる刺激の効能が違うからであるという。

つまりある風呂は肝臓に効き、ある風呂は腎臓に効き、ある風呂は皮膚に効くという具合になっている。

つまり温泉というよりも経絡に基づく健康施設なのである。



この施設に入るには4つの門があるが、一方向しか開いていない。

また、そこかしこに山のような形をしたヘンなオブジェのようなものもある。


無意味と思えるが、これらは風水理論に基づいて設計されているという。







さらに公園の一角には「お湯かけ地蔵」という地蔵がある。

そのそばにはお湯をかけるための「ひしゃく」なども置いてあり、さらに浄財とかかれた賽銭箱もちゃっかり置いてある。

そもそもこの施設が出来たのが平成13年であるので、まだ一年ほどしかたっていない。

真新しいお地蔵さんは、まだ石も磨き立てのように光っていて、ありがたみがなさそうである。







温泉に足裏刺激に風水に地蔵という構成で、こうなってくると、もうワーズワースも独歩もどうでもよく、みのもんたの番組のような展開である(笑)。






入り口で入場料300円を払うとロッカーの鍵を貸してくれる。
ロッカーで靴を脱ぎ、サンダルに履き替え場内へ入る。

こうしてお湯へ入ることに。

入場すると、お客さんはお年寄りも多いが若い人も結構いるのである。




さて、肝心のお湯へどうやって入るかといえば、濡れないようにズボンの裾を捲り上げて、足だけ入るのである。

スカートの人はそのままでよい。




しかし、入ってみると、これが結構面白い。


立て札になっている効能書きなどを読みながら、足だけお湯につかり、足踏みをする要領で底に埋め込まれた石を踏んで足裏のツボを刺激するのである。


内臓などの悪い部位に対応した反射点である足の裏が痛い。

しかし、温泉であたためられるので気持ちもよい。


「いてて」「きもちいい〜」の繰り返しである。


しかも、その場にいる沢山の老若男女(ろうにゃくなんにょ)がみんな服は着ているが足だけは裸足なのである。

それぞれがみな、「いてて」「きもちいい〜」の世界に浸っているのである。


老若男女なそれぞれ「いてて」「きもちいい〜」である。




それは壮観でもあり、なんとも笑える光景でもある。



いやあ、日本は平和ですな(爆)。










肝臓に効くというお湯ではあまり痛くなかった。


その代わり腎臓のところでは「いて」「いてててて」であった。


いつのまにか腎臓が悪くなっていたのか、オレ?





オレ的にはここは湯河原のオススメスポットである。

みなさんも湯河原へ行くことがあったら是非お立ち寄りください。

開設以来一年で、すでに入場者は12万人を超えている人気スポットである。
そもそも湯河原町の人口が約3万であるから、累積ではあるが、その4倍の人が利用した計算になる。
一日あたり300人以上は訪れているのである。

すげー。


入場料も300円と激安で、300円分の価値は十分にあると思う。





先ほど検索してみたらHPもあったので、紹介しておく。
どのようなものなのか、みて下さい。



こちら





こうして、結局、一時間ぐらいこれらのお湯を満喫してしまったオレと上司。



足裏も十分に刺激し、血行も大変よくなって、かなり健康になった気分である。



しかし、この後、この旅行は意外な展開を見せることになるのである。



(つづく)


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