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ホアン・アイン・ザーライ概要 - ベトナム - 2005年03月07日(月)

●ホアン・アイン・ザーライ概要



▽ベトナムのリーグ


 ベトナムリーグは最近プロ化(2000年にとトップリーグを
 Vリーグと改称)して、東南アジアじゃ最も発展著しいリーグの
 1つに数えられます。

 トップリーグの観客平均動員数は1万4千人前後で、東南アジア
 に限っていえば、僕が知る限り、インドネシアの次くらいに盛り
 上がっている国内リーグです(実数であれば)。

 下部リーグもあるので昇格・降格もありますし、もちろん
 カップ戦もあります。

 外国人選手も多くの国からきています。つい最近まで、東アジア人
 選手もソコソコいました。


 ビジョン・アジアというプロジェクトで、AFCが今後注力していく
 国の一つにも選ばれたのは、ベトナムのサッカー熱によるものが
 大きい、そんな現在沸騰中なリーグなのです。




▽ホアン・アイン・ザーライとキャティサック


 そんなリーグに参加している、ホアン・アイン・ザーライ(HAGL)
 は、昔からの名門チームというよりも、プロ化と同時に頭角を現してきた
 新興チームと言えましょう。ホームはすんげー田舎にあるとのこと。

 ホアン・アイン・ザーライ(ジャライ)のオーナーは材木加工会社
 なのですが、ただの家具屋さんじゃなくて、ホテルとかも経営して
 しまうすげーデカイ会社らしいです。



 んで、つい数年前までHAGLは、ディビジョン1(2部リーグ)
 に居たのですが、突然「強くするんじゃー」とばかりに、タイの、
 いや東南アジアのスーパー・スター☆FWキャティサックを獲得。
 
 


 待遇は家・車付きで月給1万USドル、つー高待遇(あくまでも噂)
 で、東南アジアのサッカーファンを驚かせました。


 とはいうものの、シンガポールリーグやイングランドにまで
 移籍した経歴を持つキャティサックが、ベトナムの下部リーグに行く
 つーことで、タイ・ベトナム・シンガポールのファンを交えての
 大論争となったのは記憶に新しいトコです。


 (感覚で言えば、カズがセリエAから帰国後、すぐに中国の2部
  リーグに行く、って感じかなーと思いますが、適当ブッこいて
  いる
ので気にしないで下さい)



 そこでベトナムリーグ初のタイ人選手としてプレイしたキャティサックは
 大活躍しまして、見事助っ人・昇格請負人を果たした…、ってとこ
 まではよくある話ですが、昇格した年にそのままトップリーグで優勝、
 さらに昨年も優勝して、リーグ2連覇を達成しました。



▽HAGLとタイ人選手


 各チーム側はコレを見て"タイ人はイイぜ!"と思ったか、タイ・コネク
 ションができたかどうか知りませんが、HAGL以外にも次々と
 タイ代表経験選手を獲得したのであります。カップ戦優勝のビン・
 ディンもイッサワらタイ人選手をチームに多数加入させております。


 ベトナムリーグの若手にとって、キャリアあるタイ人選手というのは
 プロとしての、またプレイスタイルのお手本になっているそうな。



 キャティサック以降、HAGLのタイ人選手を見ると、Sリーグで
 活躍し、天才と称されたタワン、インドでの選手経験もありイカす
 FKを持つドゥシット、そんで、今季からタイリーグ得点王の
 ヴィモルが次々と加入。


 ヴィモルは今シーズン、タワンの控えが多いようです。また、もう一人
 タイ人選手にセンターバックのチョクタウィーがいます(まだ今シーズン
 出場してないはずです)。


 チョクタウィーはアジアカップ2004でタイ代表キャプテンをやって
 いましたし、キャティサックやドゥシットは釜山アジア大会で日本とも
 やってますから、結構覚えがある人も多いかもしれません。


 キャティサックは、2003・2004年と2年連続の最優秀外国人
 選手賞をHAGLで受けてます。ついでに、チームではアシスタント
 コーチもやるようになりました。



 そうそう、アジア大会で思い出しましたが、あの大会で金髪だった
 ナロンチャイも、今はベトナムのチーム。タイが誇るMFでテロ
 サーサナをACL決勝まで導いたターサック・チャイマンも昨シーズン
 までベトナムにいましたし、鹿島戦でやたらデカい控えだったシーマッカ
 もベトナムにいます。



▽HAGLのスタイル


 さてさて、タイ人選手にばかり目が行きがちですが、昨シーズンリーグ
 得点王争いを演じたグエン・ミン・ハイを初めグエン・バン・ダンらの
 ナイスな選手達もおりますし、ボー・バーコイ、チャン・ミン・ティエン
 の若手が急成長しております。

 センターバックのチン・ズイ・クワンは、2004年ベトナム人選手
 ベストイレブンに選ばれております。



 ベトナムのクラブは伝統的に5−3−2、という場合が多く、HAGL
 も5−4−1、5−3−2というシステムを用いることが多いハズです。
 (とはいっても3−5−2に近いらしい)。


 チームのタクトを振るのがHAGLではドゥシット選手とのこと。
 そんで、タワン・キャティサックのタイ・トリオが攻撃の中心との情報
 であります。


 ちなみに、ベトナムでは4−4−2のスタイルで五輪代表がいい成績を
 得たので、それにならうチームも昨シーズン増えてきたそうです
 (成績は5−3−2のチームの方が良かったらしいけど)。


 HAGLのVリーグ02/03は、リーグ最高得点で優勝、2004年は
 リーグ2位の得点力と最低失点で優勝、と年々バランスを上げてきて
 います。



 Vリーグ2005は既に開幕し、第5節(3/6現在)までやっていますが、
 HAGLはまだ本調子ではなく、初戦・第2戦と勝利したものの、第3戦
 ・第4戦と引き分けが続き、ついに第5節、初黒星。首位から落ちて
 しまいました。

 とは言うものの、まだまだ長いリーグ戦ですから、最終的には優勝争いに
 食い込むんじゃねーかなーと思っています。



 とかまー、偉そうなこと言ってますが、僕は新聞やデータを基に書いて
 いるので、よくわからんのが現実なのですが、知らんよりはマシなので、
 ご報告。


 以下、僕が分る限りのフォーメーションとメンバー表をば。

●ACL2004 対PSMマカッサル戦時のフォーメーション

 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
       16      13  
   グエン・ミン・ハイ  キャティサック
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
     11              17
   Quang Truong        ドゥシット   

           10
          タワン
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
   5              19
レー・クアン・チャイ     チャン・ハイ・ラム

    23        15
レー・タイン・ロン  Manh Dung

          6
      チン・ズイ・クアン
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
          1
      ボー・ヴァン・ハイン
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(ベトナムのメディアから転載) 



●メンバーリスト(Vリーグ2005第1節から第4節までの出場選手及び外国人選手)

* GK 1 Vo Van Hanh ボー・ヴァン・ハイン
GK 24 Nguyen Quoc Tuan   グエン・クォック・トゥアン

* DF 5 Le Quang Trai   レー・クアン・チャイ
DF 6 Trịnh Duy Quang   チン・ズイ・クアン
* DF 14 Vo Ba Khoi ボー・バー・コイ
* DF 17 Dusit Chalermsan ドゥシット・チャラムーサン(タイ)
* DF 19 Tran Hai Lam チャン・ハイ・ラム
DF 23 Le Thanh Long レー・タイン・ロン
DF -- Vo Phuong Hai ボー・フオン・ハイ
DF -- Nguyen Huu Dang グエン・フウ・ダン
* DF -- Choketawee Prmrut チャクタウィー・プルムルット(タイ)

* FW/MF 9 Nguyen Van Dan   グエン・バン・ダン
* FW/MF 16 Nguyen Minh Hai グエン・ミン・ハイ
* MF 10 Tawan Sripan   タワン・シーパーン(タイ)
FW 11 Vimol Juncum   ヴィモル・ジャンクン(タイ)
* FW 13 Kiatisuk Senamuang キャティサック・セーナームアン(タイ)

-- -- Nguyen Duy Van グエン・ズイ・ヴァン
-- 20 Tran Minh Thien チャン・ミン・ティエン
 --  12 Duong Minh Ninh   ズオン・ミン・ニン
-- 15 Nguyen Viet Anh グエン・ヴィエト・アイン

*は代表召集経験アリ




▽HAGLと海外


 そんな、ベトナム国内じゃ強豪のHAGLですが、海外チームとの成績はあまり
 芳しくありません。

 以下東南アジアクラブ選手権、クイーンズカップやACLの結果を
 出してみますと・・・。


 ・東南アジアクラブ選手権 @ インドネシア
 
 2003/07/14 C ● 1 - 2 Persita Tangerang (インドネシア) Kiatisuk
 2003/07/16 C ○ 2 - 1 MCTPC (ラオス) Kiatisuk, Minh Hai
 2003/07/21 C ● 1 - 2 BEC Tero (タイ) Quoc Vuong (準々決勝)
 
 
 ・AFCチャンピオンズリーグ2004
 
 2004/02/11 H ○ 5 - 1 PSM Makassar (インドネシア) Kiatisuk x3, Dusit, Quang Truong
 2004/02/24 A ● 0 - 2 Dalian Shide (中国)  

 2004/04/06 H ● 0 - 1 Krung Thai Bank (タイ)
 2004/04/21 A △ 2 - 2 Krung Thai Bank (タイ) Nguyen Van Dan, Kiatisuk
 2004/05/05 A ● 0 - 3 PSM Makassar (インドネシア)  
 2004/05/18 H ○ 3 - 1 Dalian Shide (中国) Kiatisuk, Minh Hai, Ro Chom Tienム
 
 
 ・クイーンズカップ @ タイ (判明しているもののみ。対戦相手はすべてタイチーム)
 
 2004/10/27 C ○ 2 - 1 Port Authority of Thailand Vimon x2 (GL)
 2004/10/29 C △ 3 - 3 Royal Thai Army RHai Lam, Duy Van, Vimol
 2004/10/31 C ○ 3 - 0 Chon Buri Tawan Sripan, Vimol Chankum, ?(準々決勝)
 2004/11/03 C ● 1 - 4 Bangkok Bank Kiatisuk (準決勝)
 


 とまあ、こんな感じでして、東南アジアでは最強、というよりも
 まぁ結構強いよね、でもタイには勝ちきれないかな、という
 イメージですね。

 得点者みてもやっぱりタイ人選手の名前が出てきます。


てなわけで、ベトナム&タイの融合チームに3月16日は注目してみましょう。
一応、行く予定。


でも…その日に新横浜まで帰るには、ロスタイムは捨てって
感じなんでしょーか?誰か教えてプリーズ。



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