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■ 悪酔い
ゼミの忘年会で、あまり呑みたくないお酒を少量無理して呑んだ。 あたしは下戸というわけではないし、弱いけど、お酒の味は嫌いじゃない。 それに、案外気分は酔えなかったりする。 今日も、まったく酔ってなどなかったのだけど、 帰りの電車のなかで、貧血をおこして、途中下車。 ふだんは血色のよすぎる顔が、紙みたいに真っ白くなるので、 われながら、ふしぎな感じ。 血液がさーっと下がると、こんなに人間って色がないものなんだ、と思う。 面白いよ〜、死体もどきで。 気持ち悪くて、立っていられなくなるくせに、 そんなふうに自分を冷静に見てる、もうひとりの自分がいるから、 どこか、外せないんだよね。 お酒でたがが外れる人がいるけど、ある意味妙にうらやましかったりもする。 そういう手段があること、だけで。
そんなことしてたら、終バスはとっくになくなってしまったので 最寄駅から、50分かけて、夜道を歩いた。 気分はよくなったし、寒くなかったものの、途中人気のないゴルフ場の林の横をずっと通るので、怖さを紛らわすために「あ・え・い・お・う…」と発声練習しながら歩いた。 大きな声を出すのは、気持ちがいい。 もっとも、端から見たら、あたしのほうが変質者だったかもしれないけど。
家に着いたのが、1:00近く。 それでもまず、ネットをつなげてしまう。 完全に中毒者だ。
吉田秋生の「吉祥天女」を読み終わった。 ミユキさんの書き込みを読んで、面白そうだなと思って、 りょうかさんに貸してもらった。 ほんとはBANANA FISHを借りるつもりだったのだけど、 家にはないらしくて、こちらはまだ先になりそう。 買うにしても、読み始めたら一気に買っちゃうだろうからなあ。
「吉祥天女」は、たぶん、いまのあたしが書きたいことにすこしだけ近い。 簡単に「だからオンナは…」ってくくられるのは嫌いだけど、 一方で、あたしがオンナであることは、あたしの一部を確かに規定している。 それも、いまはすごく重荷になってるから。 無視できない。 それをどうやって表出してゆけばいいのか、吉田秋生さんは、見せてくれる。 魅せられる。
感想は。 はじめて「櫻の園」を読んだときのほうが、インパクトはあったかもしれない。 それとも、あたしが当時とは変わったのか。 生身のオンナとして、重なる部分もありながら、それでも、天女の話になってしまった。 リアリティという点で、あたしは、なんとなく壁を感じたのかもしれない。 そのうえで、女としての自分を考える、起点にはもちろんなったわけだけども。
たぶん、また精神状態の違うときに読み返したら、全然ちがう感想が出てくるのかもしれない。
話は変わるが、昨日の深夜、[紅玉]をアップした。 アレは、自分の高校時代のことなんかを思い出して、ふと突貫工事で書いてしまったわけだけど、(おかげで誤字脱字の多いこと…(笑)) イメージとしては、以前からあったもので、 ずっと書きたかった。 ただ、ちょうど月曜にりょうかさんとこから美味しい林檎をもらったので、 紅玉だなんて思いついてしまったために、突然書いてしまったのだけど。
ひとりだけ、感想をもらった。 筆力の問題はおおいにあるのだけど、テーマさえ伝わったなら もうそれだけで、うれしかった。
女の子の話は、とりわけ自分を切り売りして書くより他ないので、 痛い話になりやすい気がする。 まちがっても、明るいエロや、ご都合主義の少女漫画的展開は書けない。 だから、いろんな人が来るここにあってよいのか、迷うところだけど、 表に少しずつでもアップしてゆこうと思い始めてはいる。
文章力がないことや、構成がまったく酷いことなんかは 気にしたら、あたしはなにひとつ文章を外には出せないことになる。 だけど。 あたしが書くのは、伝えたいことがあるからだ。 呟きたいことがあるからだ。 それでいいと、思い込んで、どうにか自分の筆力には目を瞑ろうとしている。 とはいっても、上手くなりたいのが、本音だけどね。
2000年12月19日(火)
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