unsteady diary
riko



 いろんな「好き」があるけれど。

―「好き」の気持ちは、自分を、いちばん無敵で臆病な生きものに、変えるのかもしれない。


ひとつの居場所が復活した。

私は、欠けたままの日々にすこしずつ馴れ始めていたところだった。
替りをさがして、みつけて。
そこもまた居心地のよい場所で。

だから、なにが違うとか言えはしない。
しいて言うなら、たぶん、私の安定度だけ。

あそこは、ただ、きもちが揺れる。
何故だか分からないけれど、もう条件反射みたいに、
声とか、文章とか、これまで残してくれたすこしの言葉とか。
そういうものが、湧き上がってきて、穏やかではいられない。
ざわざわする、皮膚感覚が、なにかを訴える。

人に惹かれるのに、ほんとうは理由なんてないのかもしれない。
すこしずつ、しのびこんでくるそのひとの考え方、言葉が
やがてすごく大きくなって、のみこまれそうになる。
そういうふう。

昼間も、ぼうっとしながら、よく考えている。
めったに会うことのない人のことを
なんでこんなに気にかかるんだろうって思いながら。
どちらも現実の世界なんだけど、妙にふわふわと浮遊してるみたいで。

会うまでは、ただ理想化してるためにふわふわしてるんだと思えた。言い訳ができた。でも、もう逃げ道はなくて。
別に救ってくれる人というわけではなくて。
どっちかというと、突き落とされるかもしれなくて。
こんなに時には苦しいのだし、離れてしまえばその痛みは慢性化してやがて気にならなくなるだろうとさえ思う。

ここ数日、そうやって過ごした。
あちこちで見かける書き込みにも
遠い人だと、ファンでいよう、と。
そう思いながら、引き裂かれる。

ひとりでに卑屈になるのを止めるすべはなくて。
そうやって暗くなればなるほど、重い存在になるってわかってるのに。
それでも、どす黒い塊がずっとずっと喉の奥にひっかかっている感じで。
出したら、どんなにみにくいか、解ってるから、もう一度押し込めるしかない。
うっかり浮き上がってこないように、またいちばん下に仕舞いこむ。

煙たがられないように、明るく笑おう。
そんな手段でしがみついていたって意味がないってわかってるけど。

あかの他人の感情をぶちまけられてもねえ…困るでしょうから。
そもそも、カウンセラーでもなければ、慈善家でもないのだから。
誰もが、自分の世界を大切にすべきで、
そうしてるからこそ魅力的なんだから、専念してほしい、すべきことに。
ええ、無理などしてませんよ。
これは、ホンネ。
そう、信じてるもの。
誰が?
私が。
その私を、私はまた信じられないのだけれどね。


『ゴミはお家に持って帰りましょう。
ここでは棄てないでね。
美化のためです。』

はーい、「いいこ」は、ちゃんとお部屋までもって帰ります。
他人に迷惑をかけちゃいけないですからね。
ここはもう、お部屋のひとつにしちゃいましたけど。
そのうち、こうやってゴミと埃とに埋まるのかもしれませんね。
ああ、いまも半分そうかあ。
いやだなあ、忘れてました。

なんたって、自業自得ですから。
ええ、大丈夫。今日も私は元気です。


2000年11月02日(木)
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