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2004年07月06日(火) 久々のヒット本 「博士の愛した数式」(小川洋子)読了。 これまで読んだ本の中で、感動したり印象深い作品はたくさんあるものの、目からうろこ、というよりもっと直接的に私の世界を作り変えたとまで言える作品は少ない。 私の記憶では、中学か高校の頃に読んだ「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス)が印象深いけれど、それ以来はじめて私の世界を塗り替えてくれた本となった。 (偶然か、好みなのか、内容の系統は「アルジャーノンに花束を」にかなり近い) こんなふうに「読み終えたくないなあ」と最後のページに近付くことをためらったのは初めてだと思う。 主な登場人物は、“博士”と、家政婦の“私”と、その息子の“ルート”、“博士”の義姉の“未亡人”。 淡々と物語ははじまり、そして終わる。 ミステリー小説のような盛り上がりはなく、かなり単調だけど、それがいい。 博士と私とルートの共有する時間をもっと見ていたかった。 数字、というだけでアレルギーのように拒否反応を示してきた今までの私。 計算は苦手だし、苦手な方程式を解くことになんの意味があるのか、と思っていた。 しかも頑張った挙句、「解なし」なんてふざけてる。 ルートのように子供の頃に博士のような人に出会っていたら、数学のおもしろさに目覚めたかもしれない。 博士のように考えたら、数学ってかなり楽しい学問だよなあ。 今まで気付かなかったけど、数字を愛する人の方がロマンティストなのかも。 お金の計算だけできればいいんでしょ、と思ってきた私の方がよっぽど現実的だったのか。 数学、もう一度勉強してみようかな。 せめて中学レベルくらいは。 |
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