ビー玉日記
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2003年06月15日(日)  私の知る「佐賀県」

「佐賀県」なんて歌がちょうど5月からブレイクしてるんだけど。
私の行ってるところはまさにその佐賀県。

佐賀はとても地味なところ。
(例:モンゴル村。長崎に対抗したのはわかるが、わざわざ行こうと思えない)
だけど犯罪が起きればとても目立つ事件となるところ。
(例:バスのハイジャックとか、保険金殺人とかね。)
不思議な世界です。

吉野ヶ里遺跡は佐賀県にあるのだけど、遺跡が田んぼの中に違和感なく存在している。
雰囲気という意味では立派にハウステンボスを超えてると私は思う。

葬式屋のおじさんの言う都会である佐賀(5/4の日記参照)にはずっと昔に行った記憶しかないのでどうだかわからないけど、私の行く範囲ははっきり言ってかなりの田舎だ。

以下、私の証言。


子供の頃、おじいちゃんが駅前のデパートで店員として働いていた。
デパートというと私のイメージでは日本橋高島屋や三越だったから、長いことそこがデパートだということを知らなかった。
だってどう考えても実家の近所のダイエーと変わらなかったから。
一度、「スーパー」と言って、おじいちゃんに「デパートだ」と怒り口調で正されてから知ったこと。


コーヒーが大好きな母と、ちょっと息抜きにコーヒーが飲もうと喫茶店を探したことがある。(祖父母はもっぱら日本茶党だったし。)
……見つからなかった。
いくつか喫茶店もどきみたいのはあったんだけど、どういうわけかコーヒーがなかった。
挙句の果てに、うちの母は当時一番きれいで新しかった「リンガーハット」に「コーヒーはありますか」と聞きに入った。
もちろんちゃんぽんと皿うどんがメインの「リンガーハット」にコーヒーなんかあるはずもなく、結局、母と二人で歩きつかれてとぼとぼと帰ったのだった。


駅前にホテルがあるのだが、その名も「○○シティホテル」。
シティと名乗るのが恥ずかしいくらいしょぼいホテルである。
今回夜駅に到着して、荷物を押しながら街灯もない暗い道を歩いていたら、突如としてそのホテルの中のライトアップされたところがガラスを通して見えた。
正直、びびった。
黄色いウェディングドレスを着た女のマネキンと、白いタキシードの男のマネキンが並んで立っていた。
マネキンはラテン系の顔立ちをしていて、しかも肌は小麦色。
こわいよ、もー。
他は暗いのになんでそんなとこ電気つけてんの。

先日の葬式の時に父の上司が参列してくれてこのホテルに泊まったので、彼の反応が知りたくて父に聞いたら、中はやっぱり古かったらしい。
この町の感想は、「思ったより町だったね」だそうだ。
思ったより町。
一体どんな場所を思い描いてここに来たんだろう。
お疲れ様なことです。


母の祖母は、この町から更に奥地に住んでいた。
そこはみかんとかお米を作っている農家が集まる地域なので、父の実家のあるところより田舎感は増す。
広い土間があって、お風呂は薪で焚いてて(私が生まれる前は五右衛門風呂だった)、ご飯を焚くカマドもあった。
ここまでくると田舎として徹底していて子供としては十分楽しめた。
ただ一つの不満は、冷えた飲み物が100%みかんジュースしかなかったこと。
お向かいは村で1軒の商店だったし、買いに行けばあるんだけど、とにかくみかんジュースがどっさり入っている。
すっぱかったな、あれ。


最近はそんなこともなくなったけど、子供の頃は、テレビ番組が東京と違っていた。
アニメで見たことがないのがやってて楽しみに見てたら、東京でアニメ大全集みたいな番組を見てた時にそれが生まれる前にやっていたアニメだということがわかった。
そんな時差がよくあった。
中学ぐらいまで「キャンディーキャンディー」や「ガッチャマン」がやっているのを目撃したし。
ちょっとしたタイムトラベルができるところだった。


でもこれらは文句とか愚痴とかじゃないし、バカにして言ってるわけでもなくて、むしろ好きなところ。
東京と違うというのがおもしろい。
東京と同じになったらつまんない。
方言が耳にやさしくて、星がきれいで、いいところだと思っております。


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