うさぎ日記 DiaryINDEX|past|will
ずいぶん長く日記を書かない間に母はまた半段階くらいステップを降りた。 もう母は、全身私に預けるようにしないと歩けなくなった。 母は右手に杖を持ち、左手は左脇のしたから私が支える。 全体重で凭れかかる母と一緒に歩くと私も終いに、はあはあと息があがって来る。 私は 「いち、にい、さん、し、ごくろうさん!」 と、自分と母に掛け声をかけながら歩く。 すると、歩き始めは無表情だった母が、小さい声で 「ごくろうさん!」 と、唱和しはじめ、その声はだんだん大きくなって行く。 それとともに、母の顔に元気だったころと同じ笑顔が浮んで来る。 私は、その笑顔が見たさに、「いちにいさんしごくろうさん!」 と、掛け声をかけて歩くのだが、 いつまでたっても母の表情が変わらないままという日もある。 そんな日がが少しづつ増えて来た。 御意見ご感想はこちらへどうぞ
桃青
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