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 The Amulet of Samarkand (Bartimaeus Trilogy, 1)/Jonathan Stroud

『The Amulet of Samarkand (Bartimaeus Trilogy, 1)』/Jonathan Stroud (著)
ペーパーバック: 464 p ; 出版社: Disney Pr (Juv Pap) ; ISBN: 0786852550 ; Reprint 版 (2004/05/22)
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ナサニエル少年は魔術師の卵。5歳のとき、実の両親によって政府に売り飛ばされ、ある師匠の下に弟子入りさせられた。有力な魔術師たちがイギリスとその領土を支配し、ナサニエルは、彼自身が、ある「崇高なる運命」のための「最高のいけにえ」なのだ、と教えられている。両親と別れ、過去の暮らしを捨てるのはまだ我慢できるとしても、国家保安省の役人でもある師匠アーサー・アンダーウッドは、非情で残忍で恩着せがましい中流の魔術師だ。ナサニエルの唯一の救いは、師匠の夫人マーサ・アンダーウッド。夫人はナサニエルに心からの愛情を示し、彼もひたむきな献身でそれに報いている。何年ものあいだ、アンダーウッド家でどうにかうまくやってきたナサニエルだが、12歳を目前にした夏、すべてが一変する。冷酷な魔術師サイモン・ラヴレースに人前で恥をかかされ、おまけに師匠にも裏切られてしまう――臆病者のアンダーウッドは自分の弟子をかばおうともしないのだ。

復讐を誓うナサニエル。全知全能を望んで悪魔に魂を売り渡したファウストを思わせる熱意で、魔術の教本をむさぼり読みひたすら腕を磨きながら、一方では努めて従順な弟子を装う。強力なサマルカンドのお守り(アミュレット)をラヴレースから盗んで恨みを晴らそうと、力を振り絞って、よわい5000歳の妖霊バーティミアスを呼び出すとき、少年魔術師ナサニエルは、自らの想像を絶するほど危険きわまりない状況に身を投じてしまう――。

このすばらしい小説『The Amulet of Samarkand』(邦題『バーティミアス〜サマルカンドの秘宝』)は、イギリスの作家ジョナサン・ストラウドの「バーティミアス3部作」の1作目にあたるもので、バーティミアスの1人称の視点とナサニエルをめぐる3人称の語りを交互に繰り返すかたちでストーリーが進んでいく。このバーティミアスが傑作で、はじけるウィットで大いに笑わせてくれる。本文に収まりきれず脚注にまであふれ出した彼の辛辣で不遜な独白も、まともな読者なら決して読み飛ばしはしないだろう。おしゃれでサスペンスたっぷりの、じつに良くできたすこぶる愉快な1冊。続きを読むのがきっと待ち遠しくなる。


Amazonのレビューには、すごく面白いとあるけれど、私は好きじゃなかった。とにかく終わり方が気にいらない。

私はよくロバート・R・マキャモンの作品を読んで、「マキャモンてほんとにいい人なんだなあ」と書いているが、「バーティミアス」の場合はその反対で、「この作家の性格って、もしかして悪い?」と思ってしまった。

話の内容は、まぎれもなく善と悪の戦いと言ってもいいと思うのだが、完璧に勧善懲悪というわけでもないし、主人公のナサニエルなどまだ12歳のくせに、誰に言われたわけでもなく、役人におべっかを使うなんてのは、ちょっといただけない。

そりゃ、大魔法使いをやっつけたことを自慢したい気持ちもわからないわけじゃないが、それをやっちゃうところが子どもだなと。もちろん、そもそも子どもの話ではあるんだけど、「指輪」や「ドラゴンランス」に比べると、やっぱり幼い感じ。あとは、ドタバタも好きじゃないから、全体の雰囲気も気にいらなかった。

主人公のナサニエルと書いたが、ナサニエルに召喚されたジンであるバーティミアスも主人公だ。この二人(というか何と言うか)の話が交互に語られている。舞台は現代のロンドンだが、魔術師が社会を支配しているという設定。

バーティミアスのユーモアも、いかにもイギリスだなあという感じ。ほら、ここは笑うところですよ、とご丁寧にも教えているような、そんなわざとらしさを感じる。それに、注釈をあんなにたくさん書くなんて、もともとの文章の組み立てが悪いんじゃないの?という感じだ。<これって、「文学刑事サーズデイ・ネクスト」にも言えるのだが、あちらはまだその効果が有効だと感じる。いかにもイギリスというのは同じだが。

というわけで、長々とかかって読了したはいいけど、個人的には面白くなかった。


2005年04月28日(木)
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