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■ ドラゴンランス伝説〈5〉黒薔薇の騎士/マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン
『ドラゴンランス伝説〈5〉黒薔薇の騎士』/マーガレット・ワイス (著), トレイシー・ヒックマン (著), 安田 均 (翻訳) 単行本: 322 p ; サイズ(cm): 22 出版社: エンターブレイン ; ISBN: 4757720696 ; 5 巻 (2004/11/19) 内容(「BOOK」データベースより) 僧侶クリサニアを伴ったレイストリンは、〈暗黒の女王〉に挑戦すべく、ついに〈奈落〉の扉へ入る。一方、キャラモンとタッスルは、魔法の時間遡行装置で無事逃げだしたものの、着いたところは、すべてが荒廃した未来のソレースだった。そこには、ティカの石碑が立ち、キャラモン自身の死体が横たわっていた…。折しも、〈竜槍戦争〉の英雄タニスは、差出し人のない一通の書状を受けとる。サンクションで力を得たキティアラが、再びパランサスを襲撃しようとしていたのだ…。ダラマール、ソス卿など異色の登場人物を絡めて、ますます白熱する渾身のシリーズ第5弾。
この「伝説」は、キャラモンとレイストリンの双子に焦点が絞られた話ではあるが、この5巻目は非常にやりきれないような感覚に陥る。レイストリンの野望は果てしなく、そのための犠牲も大きい。兄弟の溝は、とうとう埋められることなく、ついに絆も切れてしまったかのように思われる。結局、キャラモンとレイストリンの愛と憎悪が中心に描かれており、特にキャラモンの葛藤の深さがうかがえる。これによって、キャラモンは大きく成長するのではあるが。
ここでは、あのハーフ・エルフのタニスも登場し、再び活躍するので嬉しいのだが、これまでの「ドラゴンランス」のイメージに比べると、死や犠牲などというテーマが重くのしかかり、暗い1冊となっている。しかし、<奈落(アビス)>に入り込んだレイストリンは、一体どうなるのだろうか?
2005年04月25日(月)
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