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 Lucy Sullivan Is Getting Married/Marian Keyes

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ルーシー・サリヴァンはどこにでもいる「楽しいこと」好きな女の子。会社の友だちに占い師に見てもらおうと誘われて、街角の霊媒師のような感じの占い師、ミセス・ノーランに会ってはみたものの、印象は「バツ」。近い将来あなたは結婚する、と言われたこともほとんど信じる気になれない。しかし!友人への予言が現実のものとなり、ルーシーは身近な男性たちを改めて見直すようになる。

美男子のガスは、お酒の飲み過ぎと人形フェチを克服してくれれば可能性あり。新入社員のジェドはなかなかチャーミングで、お互い支え合っていけそうな健全な感覚の持ち主。そして、もちろん忘れてはいけないのがダニエル。ちょっと女性関係には問題アリだけど、ユーモアのセンスが抜群で、信頼できる友人だ。

でも、新しい家庭用の食器の柄を選び始める前に、ルーシーには、人生で最も大事な男性(父)への気持ちを整理する必要があった。娘としては心優しく楽しい人と思ってきたけれど、母は何十年もの間、その父の気まぐれやアルコール依存症に耐え続けて、忍耐も底をついているという始末。とうとう父が見捨てられたとき、ルーシーは母のもとへ出かけ、人間関係と責任についての難しい教訓を得るのだった。

ユーモアと、ちょっと泣かせる人間劇をオカズに、現代ロンドンを舞台とするシングルライフのエッセンスを抽出する点では、ニック・ホーンビーやヘレン・フィールディングと同じ。オフィスでのリアルなゴシップや、常軌を逸したルームメイト(「あの子のアタマの中に住むなんてまっぴら。だって暗くて、ものがなしくて、こわーいところに決まってるもん。その気になればマジなことひとつも考えないで、何十日だって過ごせるのにさ!」)。奇妙なブラインドデート。そして、ほろ苦い真相解明。イケてる会話と、キャラクターの心の中をのぞき込むクリアなレンズで、本書は世界中のシングルトンを楽しませ、刺激するだろう。『Lucy Sullivan is Getting Married』は大成功の1冊だ。


これも数ある「BJ系」(BJ=ブリジット・ジョーンズの日記)ではあるんだけど、この手の小説は、それを書いた作家の性格がよく表れていると思う。マリアン・キイスは、かなり理屈屋?そのあたりが濃すぎて、女の子のかわいらしさが出ない。

最初に読み始めたときは、そこが面白いと感じていたんだけど、中断している間に、いろんな「BJ系」の本を読んだ結果、キイスのそういった部分が、今ではちょっとわずらわしくなっている。そんなごたくを並べてないで(こういう部分に、普段あまり使われない単語とかがたくさん入ってくるし)、早く話を先に進めて欲しいという感じ。

それと、余計な会話が多すぎる。おかげで、なかなか話が進展しない。こういうのはテンポのよさも、ひとつの売りだと思うので、ここはマイナス。以前は面白いと感じていたユーモアも、あまりそう思わなくなっていて、自分の感覚も違ってきたのだろうが、ちょっととまどい。

会社の同僚と占い師のところに行き、その占いの結果にまつまる騒動から話が始まるのだが、メインはその会社の同僚とのつきあいかと思っていたら、いつのまにかフラットをシェアしている二人のルームメイトのほうに話が移っていき、そちらがメインになっている。なんで?という感じ。

皆、どうしても彼氏がいなきゃ!と必死になっているのが、ほかにやることないのか?みたいな感じで、なんだかね。。。主人公ルーシーも、最初は面白いと思ったのだけど、だんだんつまらない女の子に見えてきた。最後は幼馴染のダニエルとくっつくんだろうというのが見え見えなのに、なかなかそこに話がいかず、どうでもいい会話が続く。それで本が分厚くなっているのだ。もっと効果的な会話があるならいいのだが、会話の半分は無駄と思える。

キイスの本は、「きっと面白いはず」と予想して、何冊も揃えてしまったので、こんな感じで終わってしまっては困るんだけど、このあと、たしか父親との問題が出てくるんだったかな?そのあたりで感動させてくれるといいんだけど・・・という期待もむなしく、最後は幼馴染のダニエル(これまではお互いに何とも思っていなかったのだが)と、ごく当たり前のように結ばれるという結末。途中に出てくる男もみな変で、これはもう彼しかいないだろうと、先が見えてしまって、退屈だった。父親の話も、何か感動させてくれるようなことがあるのかと思っていたが、結局は見捨ててしまうし、な〜んだという感じ。



2004年08月23日(月)
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