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 The Last Chance Cafe/Linda Lael Miller

出版社/著者からの内容紹介
情感豊かに綴る極上のロマンス!
3年前に離婚し、女手ひとつで幼い双子の娘を育ててきたハリーは悲嘆に暮れた。優秀な警官だった継父が何者かに撃ち殺されたのだ。しかも、やがて知ったのは、彼が捜査中だった大規模な犯罪にはハリーの前夫ジョエルまでが加担していたこと。身の危険を感じたハリーは、娘を連れて住み慣れたアリゾナの町から逃げだし、ネヴァダの田舎町プリムローズ・クリークにたどり着く。その町の小さなカフェで本当の愛をつかまえる最後のチャンスにめぐりあうとは夢にも思わずに……。


カウボーイものが読みたいと思って読み始めたけれど、恋愛の相手がカウボーイだというだけで、カウボーイそのものについて書かれているわけではない。

主人公ハリーは、慕っていた継父の死によって、離婚した夫や周囲の人々の間に何か陰謀があり、父もそれで殺されたのではないかと疑いを持ち始め、とるものもとりあえず、アリゾナの家を出る。

吹雪の中で車が故障し、双子の娘をつれたハリーは、ラストチャンス・カフェに飛び込む。そこで、若き牧場主チャンスに出会う。チャンスはハリーが困っているのを見て、とりあえず留守中の姉の家を使ってはどうかと持ちかける。カフェの女主人マッジも、ハリーの窮地を察し、カフェで働くよう勧める。

こうしてハリーの新しい生活が始まるが、身の危険が去ったわけではないので、ずっと怯えた生活が続く。そんな中で、チャンスは何かと親切にしてくれるのだが・・・。

チャンスは最初からストレートに、ハリーへの愛情を表しているのだが、ハリーのほうは何かと煮え切らない。継父が殺されたことで身の危険を感じているので、周囲を巻き込むべきではないと思っているのだ。様々な出来事を通じて、チャンスの愛情は疑いもなく感じられるのだが、そう思えば思うほど、巻き込むわけにはいかないと思うハリーなのだ。

元夫に狙われ、命の危険をおかしてハリーを助けたチャンスを置き去りにし、アリゾナに帰ったハリーだが、最後には「ラストチャンス・カフェ」を買い取り、めでたくチャンスの妻となる。

結ばれるまでがじれったい、例によって例によるロマンスだが、そこに少々サスペンスの味付けのある物語。チャンスは非常に魅力的な男性だが、あまりにストレートすぎるという部分もなきにしもあらず。ハリーの性格は、ちょっと二重人格っぽいところもあって、私ならあまり好きにはなれないタイプかも。残念ながらチャンスは、ハリーの肉体に惹かれただけという感じもしなくもない。

2004年08月18日(水)
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