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■ ナイト・ボート/ロバート・R・マキャモン
内容(「BOOK」データベースより) ブードゥーの祈りが聞こえるカリブ海。海の底の墓場から「夜の船」がよみがえる。それはかつて闘いに敗れたUボートだ。中からは無気味な物音がもれている。なにものかが潜んでいる。生物なのか亡霊なのか。楽園は無気味な気配につつまれはじめた…。
ああ、これってカリブ海の「魔のトライアングル」が舞台だったんだ!なるほど。最初から不気味です。
深い海の底から突如浮かび上がってきた、第二次大戦中のUボート(ドイツの潜水艦)。この不気味な潜水艦が上がってから、次々に人が死亡。それも残虐な殺され方で。中を調べてみようと、意を決して潜水艦に入ってみると・・・。で、出ました!潜水艦の、というか、なんだか得たいの知れないお化け!ぎゃー!
だから〜、怖いんだから少人数で調査なんかしちゃいけないのに、なぜおおっぴらに大勢の人の見ている前でやらないんでしょう?でも、潜水艦のハッチを開けたために、このナチのお化けたち、潜水艦から出ちゃったんですね。で、人々を貪り食うってのが、すごい!このお化けたちの目的は、一体なに?
つまり、鉄の棺桶と言われる潜水艦が沈み、その中でじわじわと死を迎えた者たちの生への執念と、沈めたものたちへの憎悪が、「命なき生」として、ゾンビとなって現れ出たということなんだろうか。実はこれがドイツのUボートというところが、みそ。Uボートの乗組員は、世界最高と言われるほどに厳しく訓練されており、だからこそ、艦への愛着と、勝利への執念のすさまじさが納得できるというもの。
本書のテーマは、そうした幽霊たちも含め、主人公やその周囲の人間たちの「過去への決別」ということなのだが、葬ったはずの過去が、とあるきっかけで、いつなんどき再び目前に現れて、鮮やかに蘇るかもしれないという話なのだ。それが、思い出したくない過去であればあるほど、過去が蘇る恐怖は計り知れない。それに立ち向かって、きちんと対処できる人間に、あなたはなれますか?ということなのだ。
でも、このナチのお化けたち、すさまじいです。
2004年08月07日(土)
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