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 ぼくと彼女とその彼女(BOOK PLUS)/マリジェーン・ミーカー

内容(「MARC」データベースより)
全寮制のハイスクールを卒業した少年が出会った年上の美少女。胸がキュンとする甘く切ないひと夏の体験。70年代のカルチャーが瑞々しく描かれるポップなアメリカン・ラブ・ストーリー。


読み終えたことさえすっかり忘れているほど、どうでもいい本だった。70年代のレズビアン小説というか、サイケな人たちの話。主人公は、読書と爬虫類好きの男の子なのだが、そのお母さんとかガールフレンドが、みなレズかバイだったりする。

70年代といったっていろいろある。70年代の曲とかは好きだけど、この手のサイケデリックで、LSDで飛んじゃってるような話っていうのは好きじゃない。麻薬がらみの話というのは、どうせでたらめなんだから読むに値しないとまで思っているくらいなので、BOOK PLUSでなければ、途中でやめていただろう。

で、少年は読書好きだから、ところどころに有名な本の一節が引用してあるのだが、それがみな、「やらしい描写」のところばかりなのだ。それなりに有名な本ていうのは、「やらしい描写」だけじゃなく、その前後も含めて評価されてるわけで、そこだけ抜き出すってのも、なんだかね。このくらいの年齢の少年てば、こんなことしか考えてないんだろうな、なんて。

そんなこんなで、最近のBOOK PLUSのラインナップは、どうも面白くない。映画のノヴェライゼーションか、低年齢層をターゲットにしたドタバタ恋愛物かって感じ。低年齢層の本だって、いいものはいいと思うが、今回のようなものは、いい加減うんざり。これが書かれたのは1972年。70年代前半と後半では、だいぶ違うんだろうと思うけど、70年代の小説というより、多分に60年代が入っている内容なんだろう。私が感じている70年代とは、だいぶ違うような気がする。案の定、これは映画化が決定されているというから、たっぱり映画化にかこつけた出版だったわけだ。

ともあれ、読み終えてよかった、とほっとした1冊。読んでいる間はイライラしちゃって、今にも爆発しそうだった。もっと時間がかかっていたら、間違いなく捨ててた。翻訳者も、私があまり好んでいない金原瑞人氏のお弟子さんみたいで、いかにもだなという感じ。

2004年08月02日(月)
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