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 The Dark Elf Trilogy : Homeland (#1)/R. A. Salvatore

The Dark Elf Trilogy: Homeland, Exile, Sojourn (Forgotten Realms)
/R. A. Salvatore (著)
ペーパーバック: 808 p ; 出版社: Wizards of the Coast ; ISBN: 0786915889 ; Collectors 版 "Homeland", "Exile", "Sojourn" 巻 (2000/02/01)

※この本は3巻合本だが、個別の第1巻は下記↓

Homeland: Forgotten Realms (Forgotten Realms Novel: Dark Elf Trilogy)/R.A. Salvatore (著)
マスマーケット: 352 p ; 出版社: Wizards of the Coast ; ISBN: 0880389052 ; Reissue 版 (1990/09/01)
内容(「MARC」データベースより)
悪の地下都市に生まれた心優しき少年ドリッズトの活躍を描く冒険活劇ファンタジー。第1巻では、肉親や仲間の残忍な真の姿を知った彼の苦悩、命をつけ狙われる学院生活、実父との死をかけた対決などを描く。



一般にファンタジーといえば勧善懲悪の話が多く、主人公は善の側で、悪を倒すために命を賭けて戦うといったイメージがあるが、これはちょっと違う。では主人公ドリッズトは悪者かというと、それもまた違う。つまり、悪の中に生まれた善という設定だ。

地上エルフとの戦いに敗れたドロウ(これもエルフの一種だが)は、地下に追いやられ、そこに都市メンゾベランザンを築き、独自の社会を作ってきた。蜘蛛の女神に仕えるドロウたちは、残忍で冷酷無比。親兄弟を殺すことも厭わない。そして強力な魔法を使うこともできる。

しかしここに生まれたドリッズトは、むしろ地上エルフに似た、先祖がえりとも言えるような、普通のドロウたちとは全く性格の違うドロウだった。第1巻には、その彼が戦士として育っていく様子、都市の中での様々な戦いなど、実の父との絆と別れが描かれている。

確かに、他のファンタジーとは違っている。ドリッズトと父親以外は、皆悪人である(メンゾベランザンではそれが当たり前なのだが)。なおかつ地下が舞台であるから、そもそも光などない。だから暗い。けれども、ドリッズトが苦悩しながら成長していき、それでも自分を見失わず、自分が成すべきことを悟ったとき、やっと救われた気がする。だからこの後が楽しみではある。ドリッズトという異端児が、メンゾベランザンを出てどこに行くのか、どんな生き方をしていくのか、非常に興味深い。

これはゲームなどでも人気があるようだが、私はゲームのことは全く知らないし、興味もないので、そちらのほうの言及はできないが、ドリッズトの人気は高く、出版の順序は逆になるが、この続編のシリーズもあるようだ。


2004年06月28日(月)
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