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 No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿〈1〉/アレグザンダー・マコール・スミス

出版社/著者からの内容紹介
世界17カ国で大ベストセラー! サバンナのミス・マープル、ついに日本上陸!
プレシャス・ラモツエボツワナでただひとりの女探偵。34歳、かなり太め、バツイチ。ひとよんで「サバンナのミス・マープル」。
実家を切り盛りしていたラモツエだが、父の死後、遺産の牛を売り、首都ハボローネで探偵社を開いた。のどかなこの地で探偵業は成り立つのかと思いきや、意外や意外、依頼は浮気の調査から失踪人探しまでひっきりなし。鰐と蛇と格闘しなければならないことだってあるが、それでもアフリカの大地をこよなく愛するラモツエは、きょうも手がかりを求めてサバンナを疾走する。持ち前の洞察力と行動力でよろず解決となるか……。世界中が夢中になった名探偵、ついに日本初登場!


これはてっきりミステリ(ディテクティブもの)かと思っていたら、ちょっと違った。たしかにミス・ラモツエは、ボツワナで探偵社を開くのだが、ボツワナならではの事件の合間に、彼女の生い立ちや、父親のこと、周囲のことなどなどが書かれており、単に事件解決だけの話ではない。強いて言えば、ベイリー・ホワイトの『ママは決心したよ!』的な雰囲気の小説かもしれない。

行方不明の夫が、実は鰐に食べられてしまっていた事件だとか、さすがはアフリカ!と思わせる話ばかりなのだが、アフリカでの男女の格差というか、女はこうあるべきという思い込みが、ちょっと私には異様に感じられた。女は子どもをたくさん産んで、家の仕事をして、男を楽にするために、しっかり働くというような社会なのだ。酒場に行くような女は、男を欲しがっているに決まっているとか、しっかり働けそうな体をしているだとか、なんだかとても偏見に満ちた世界だ。

作者が、そういった偏見を素直に認めているのか、はたまた皮肉っているのか、そこのところがよく分からないのだが、主人公のミス・ラモツエは、そういった偏見には、少々疑問を持っているように描かれていると思う。

ラモツエ自身も夫に暴力をふるわれ、離婚を経験しているのだが、探偵社を訪れる女性たちは、ほとんどが男(または夫)の問題で訪れる。女性に対する偏見もさることながら、女性が男性に及ぼす影響というのもまた、激しいものがあって、アフリカってこういうところなのか・・・と思った次第。文明がうんぬんというわけではないが、男も女も非常に動物的。だからこそミス・ラモツエも、さほど苦労せずに、事件を解決できる。ご近所の悩み解決といった感じ。

2004年06月15日(火)
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