読書の日記 --- READING DIARY
 ⇒読書日記BLOGへ
  schazzie @ SCHAZZIE CLUB



 崖の国物語(3)神聖都市の夜明け/ポール・スチュワート

カバーより
飛空船エッジダンサー号で船出したトウィッグは、シュゴ鳥に導かれ、前人未到の虚空へと向かう。「大いなる嵐」の中心で、父・雲のオオカミから崖の国の命運にかかわる重大な任務を与えられたトウィッグだが、嵐の爆発で崖の地に墜落し、虚空での記憶を失ってしまう。行方不明の乗組員を捜し出し、記憶を取り戻さなければ!岩の塔だけが育つ岩の国、驚くべき事実を秘めた飛空船、異様でおぞましいオオモズ奴隷市場、そして深森のむこうに待ち受ける未知の土地─崖の国の宿命に命がけで立ち向かうトウィッグが、旅の果てに下す究極の決断とは・・・?奇想天外な異界・崖の国を舞台に繰り広げられるトウィッグの冒険、感動の完結篇!

<原書>
Midnight Over Sanctaphrax (Edge Chronicles)/Paul Stewart (著), Chris Riddell (イラスト)
ペーパーバック: 368 p ; サイズ(cm):
出版社: Corgi Childrens ; ISBN: 0552546755 ; (2002/04)
内容(「MARC」データベースより)
虚空の嵐の中で崖の国存亡に関わる重大な任務を与えられたトウィッグだが、地上に墜落した時にはその記憶は失われていた―。崖の国は救われるか? 崖の国を縦横無尽に巡って展開する人気の英国ファンタジー第3弾。



<崖の国物語固有名詞対訳表>

この巻で、トウィッグが主人公である話は完結する。内容は上記のとおりだが、ここで父親の雲のオオカミは、トウィッグに重大な任務を伝えたあと、死んでしまうのだ。悲しみに沈むまもなく、嵐の爆発で、船は木っ端微塵に。

救助されたトウィッグは、サンクタフラクスで虚空の記憶も忘れて過ごしていたが、乗組員を探しにあちらこちらに出かけ、遂に虚空での記憶を取り戻す。同時に、「大いなる嵐」がサンクタフラクスに向かって進んでいるため、浮遊都市の鎖を切らなければならないという重大な使命も思い出した。「大いなる嵐」は「母なる嵐」とも呼ばれ、それが崖の国の大河の源に届かなければ、水は枯れ、新たな生命も作られないというのだ。それがサンクタフラクスに衝突してしまうと、その大事な自然の生命の営みが途絶えてしまう。というわけで、トウィッグの命をかけた大冒険は、崖の国そのものの命が関わった、重大なものとなった。

この中でトウィッグは、どんなに困難でも、乗組員を探すのを絶対に諦めなかった。探し出された乗組員は、それに感動して、さらにトウィッグを慕うようになるのだが、ここでも悲劇は起こり、大事な乗組員の命が落とされたりもする。

そして遂にトウィグは、重大な使命は果たすのだが、このあと、サンクタフラクスはどうなるのだろうか?岩の国から生まれる浮遊石が、また新しいサンクタフラクスとなるだろうが、サンクタフラクスに残ってくれという要望を拒否し、また空に戻っていくトウィッグ。自分の居場所は空であると、強く心に思うのだ。心優しく、責任感の強い青年に成長したトウィッグが、読者にも非常に誇らしく思える。

2004年05月07日(金)
Copyright(C) 2000-216 SCHAZZIE All rights reserved.
初日 最新 目次 MAIL HOME


↑参考になったら押してください
My追加

Amazon.co.jp アソシエイト