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 The Edge Chronicles (1) Beyond the Deepwoods/Paul Stewart

内容(「BOOK」データベースより)
「飛空船には、背の高い若者の活躍する場所は常に用意されているぞ」おそろしいはずの空賊の、その言葉が忘れられない。ウッドトロル族の村は自分の故郷ではないと知り、旅立った少年トウィッグだが、神秘的な森に魅せられて思わず道をはずれたとたん、死ととなりあわせの旅がはじまった。トビムシ退治、ホフリ族との一夜、食肉植物チスイガシとの死闘、オオハグレグマとの友情と別離、ヤシャトログに飼われる日々―。次々遭遇する妖しい怪物の脅威をくぐりぬけ、深森にすむ友だちができても、そこは、自分の居場所ではない。進むしかない―。虚空にはりだす船首像のように切りたった崖の国で繰り広げられる、壮大な冒険ファンタジー大作第一部。

<翻訳>
『崖の国物語〈1〉深森をこえて』/ポール スチュワート (著), Paul Stewart (原著), Chris Riddell (イラスト), 唐沢 則幸 (翻訳), クリス リデル
内容(「MARC」データベースより)
自分は捨て子と知った少年トウィッグは、暗く神秘的な深森で道をはずれ、妖しげな怪物との死闘や奇妙な種族との遭遇を通して成長し、終に運命を見極める。壮大なファンタジー。



<「THE EDGE CHRONICLES : 崖の国物語」固有名詞対訳表>

この本は出版された時から気になっていたものの、表紙のイメージから、子供向けのドタバタなファンタジーだろうと思い込んでいて、バーゲンでPBを手にするまで、敬遠していたものだが、読んでみたら意外にもオリジナリティあふれる、優れたファンタジーだった。

奇妙、奇天烈な化け物に遭遇しながら、深森を抜けていくのだが、主人公トウィッグのキャラも淡々としていて好感がもてるし、変な生き物たちも面白い。一見、荒唐無稽な話のようだが、細部にわたってよく考えられており、穴がない。

1巻目は、トウィッグがウッドトロル族の家を出て(実の両親でないことを知らされて)、旅に出、上にも書いたように、様々な生き物に遭遇して、深森を抜けていく話に終始し、これといった事件というのもまだ起こらないプロローグのようなものだ。崖の国、あるいは深森とはどういう世界かという紹介のようなものだろう。けれども最後に空賊に出会い、その飛空船の船長が実の父親であったことを知り、2巻目からは、空賊トウィッグとして、さらに冒険をしていくのだろう。

ところでここに出てくる固有名詞は、ほとんど作者の造語で、上の内容説明を読んでも、オオハグレグマ?ヤシャトログ?という感じで、ピンとこなかった。イラストが多数入っているので、それぞれのイメージはわかるのだが、どうしても原語と訳語を比べてみたくなって、対訳表を作ってしまった。

それが<「THE EDGE CHRONICLES : 崖の国物語」固有名詞対訳表>である。2巻目からを読む場合にも、きっと役に立つだろう。かなり苦労したので、役に立ってくれないと困るが。

作者の造語をうまく日本語にあてはめるのは、結構難しいことだと思うが、あまり違和感もなく、なるほどという感じで、スムーズに受け入れられた。これが頭に入れば、2巻目も日本語でのイメージも加味しながら、楽しめると思う。

2004年04月17日(土)
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