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 ガールズ・ポーカー・ナイト/ジル・A・デイヴィス

内容(「BOOK」データベースより)
私の名前はルビー・カポーティ。職業はコラムニスト。そろそろ潮時の恋人あり。性格は負けず嫌い。捨て身で売りこんだNYの新聞社に採用が決まり、新生活がスタートしたものの、上司や同僚、ポーカー仲間の女友達との関係は早くも波乱含み!?現代女性の悩みや生き方、本音をコミカル&シニカルに描き、絶賛されたデビュー作。

※画像は原書『Girls' Poker Night: A Novel』


『ブリジット・ジョーンズの日記』系の本だが、日記ではなく、コラムという形で主人公の日常を描いている。というか、世間の人が読む新聞に、こんなコラム載せていいの?(実在の人物を本名で登場させてしまうし)という感じもしなくはない。どこまでが新聞に載せているコラムで、どこからが私的なつぶやきなのだろう?という境目がわからないので面食らう。

この手の小説は、主人公が明るいとか前向きであるとかならば、それなりに楽しめるものだが、この主人公はちょっと引く。自分は美人でスタイルも良く、仕事もできると思い込んでいるところが鼻持ちならない。そのくせ、のちに彼氏となる上司とのつきあいにおいて、まるで前向きじゃない。何も悪い事がないのに、自分は捨てられるに違いない、傷つけられるに違いないと思い込み、勝手に身を引いたりしている。相手の男は、自分は何も悪い事をしているわけでもないのに、何が何やらわからないといった具合。それって、かわいくないでしょう。好きなら好きで、もっと素直になりなさいよ!って感じ。

実は、彼女がこうしてしまうのは、父親に対するコンプレックスがあるせいで、セラピーなどに通って、最後にそのことに気づく。幼少時のトラウマと考えれば仕方がないかとも思うが、そのトラウマのせいで、物事を真面目に受け取ることを避けているようなところがある。これが非常に不愉快に思えるのだけれど、仕方がなかったんだなあと思うしかない。

だいたい最初の設定からして、この話は不自然だった。ありえない!と思うようなことから話は始まっている。それにしても、アメリカ人て、セラピーが本当に好きなんだな。こういう主人公は、必ずと言っていいほどセラピーに通っている。そういう習慣のない日本人には(あったらいいなと思うこともあるが)、ちょっと理解の及ばない部分かもしれない。

「BJ」系の話というのは、読者が主人公にどれだけ共感できるかという点が重要だと思う。だから、いろいろなヒロインがいていいのだが、個人的に言えば、この主人公は好みではない。結末はハッピーエンドのようだが、この主人公の性格が変わるとも思えないので、最終的にハッピーエンドかどうか、怪しいところだ。でも、こういう女の子はたしかにいる。だから、共感する人もたくさんいるだろう。とにかく、みんな幸せになってください!って感じ。



2004年03月04日(木)
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