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 The Walking/Bentley Little

John Hawks died and kept walking.

冒頭のこの1行で、即購入。死んだのに歩き続けていたとは一体どういうこと?と激しく興味をそそられたため。

家族が見ている前で、おじいさんは死んでも歩き続けていた。真夜中になって、湖に向かったおじいさんは、そのまま水の中に歩いていって見えなくなった。数年後、大学生になった孫は、スキューバ・ダイビングをしていた。夏休みに帰省した孫は、死んだおじいさんが沈んでいった(歩いて!)湖にもぐってみることにする。よしたほうがいいと言う父と叔父も、結局はおじいさんがどうなったのかという好奇心を抑えることができず、3人で湖へと向かう。湖にもぐった孫は、恐怖に怯えながら上がってきた。

「おじいさんはそこにいたよ。まだ歩き続けてる」

って、こわーい!!!でも、なんで?どうして?という好奇心が先に立って、読んでしまう。。。と思って読んでいたのだが、その後全然違う話になってしまい、それっきりこのおじいさんが出てこない。このおじいさんは、一体どうしたのか?まだ歩き続けているのだろうか?湖の中を!

結局、何の話なのかよくわからない。あれ?短編なのか?と思うくらい、ストーリーが全然繋がってないし、かと思うと、章が変わっても、同じ主人公とおぼしき人物(私立探偵─職業が職業だけに、ミステリだったかと時々勘違いしてしまう)が出てくるので、そういうわけでもないのかとも思う。でも、冒頭の「死んでも歩き続けている」おじいさんは出てこない。

なんとなく嫌〜な感じなのは、主人公の父親にしろ、依頼人の父親にしろ、他の登場人物にしろ、「おじいさん」あるいは「父親」が、恐怖または死に直面していることだ。おばあさんはいない。なぜ、おじいさんばかりなのだろう?それが、自分の父親の死を思い出してしまって嫌な気分になるのだ。

こんな本は途中でやめてしまえばいいんだろうが、やっぱりあの「死んでも歩き続けている」おじいさんのことが気になる。どこかにまた出てくるのでは?死んでも歩き続けている理由が書かれているのでは?と、ついつい期待してしまうのだ。

でも、ホラー小説なんて、結局原因など究明されないうちに終わってしまうのが多いしと思うと(原因がわからないから、不気味だったりするわけだから)、読み進むだけ無駄か?とも思う。なんとなく、黒魔術的な匂いもしているのだけれど・・・。

しかし、しばらく読み進めてみて、この本の仕組み(?)がわかった。「THEN」という章で、奇怪な出来事を述べ、次に「NOW」という章で、主人公の私立探偵の話を述べる。これが交互に書かれているのだが、「THEN」の章で述べられていることは、どれも全く関連がない。つまり、「NOW」という関連性のあるストーリーの中に、突然、全然別の不気味な話が挟まれているという趣向。

結局、非常に興味をそそられていた「死んでも歩き続けている」おじいさんの話は、「THEN」の部分にあたるので、それはそれで結論もなく終わりということ。というか、「死んでも歩き続けている」というのが結論。

というわけで、この先読んでいても、なぜ?という疑問の答えは出てこないことがわかったので、読んでいてもただ不気味な感覚に襲われるだけなので、読むのをやめにした。

というわけで、この本は読了していないのだが、冒頭の話が興味深いので記録しておく。

2004年03月11日(木)
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