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 パーム・ビーチ(上・下)/パット・ブース 

パーム・ビーチ(上)/パット・ブース
カバーより
美しい夏の昼下がり、ボビーは何気なく父親の書斎をのぞいて、その場に釘付けになった。上院議員の父親が、ソファの上でメイドのメリーとセックスの真っ最中だったのだ──アメリカの有数の金持ちが住む町パーム・ビーチに、三代にわたる愛と欲望のドラマが始まった。十数年後、美しく成長したメリーの娘リサは、フィットネス・クラブの社長として成功への道を歩んでいた。夢は母親の遺言だったパーム・ビーチの住人になること。だが、運命の人、ボビーとの出会いは・・・。

パーム・ビーチ(下)/パット・ブース
カバーより
名門デューク家の若く美しい未亡人ジョアンは、野心に燃えるボビーの大統領への道に経済的援助を申し出る。それは、家柄も富も劣るリサの敗北を意味した。しかし皮肉にも、別れを告げられたリサのおなかにはボビーの子が。名門同士の結婚で、大統領へ着実に一歩を踏み出したかにみえたボビー。だがリサと同じ日に娘を産んだ妻ジョアンにも暗い過去と秘密があった。風光明媚なパーム・ビーチにくりひろげられるラブ・ロマンスは、時に胸をはずませ、時に胸を痛めさせる。


この話って変でしょう!結局近親相姦の話?って感じ。
そもそもボビーとリサは、母親の違う兄妹だ。ここですでに近親相姦である。そして、リサの息子スコット(父親はボビー)とジョアンの娘クリスティー(父親はボビー)もまた恋愛関係になるのだが、これもまた母親の違う兄妹(同じ日に生まれているので、姉弟かもしれないが)となって、またまた近親相姦だ。さらに、最後にボビーとリサが結婚するという話になり、それって、法律的にも遺伝的にもまずいんじゃないでしょうか?という疑問が大いに残る。

スコットとクリスティーは、自分たちで自らの生い立ちの秘密を知り、きょうだいとしてつきあうことになるのだが、ボビーとリサは、生い立ちを知らないままだ。心配したスコットが、二人のDNA鑑定をしてもらうが、結果がわからずじまい。物語は、近親相姦とかDNAとかが問題というわけじゃないのだが、どうしたってこれは気になる。

それにしても金持ちの社交界って、すごい世界だ。平気で人を蹴落とすし(これは金持ちの社交界でなくてもよくあることだが)、自分がトップに立つためには、平気で殺人も犯す。嫌味やあてこすりが日常会話。地位や名誉や物欲に取り付かれると、まったく大変なことになる。普通じゃない世界の普通じゃない話というわけか。

大統領候補にまでなるボビーは、なるほど魅力的ではあるが、大統領になるために選んだジョアンをかたわらにおきながら、再びリサに出会って心ときめき、やっぱりリサが好きだと思ってしまうなんて、なんて子どもなんだろう。だったら初めからリサと結婚すればよかったのに・・・いや、待て、それは近親相姦になるからまずい・・・でも結局最後には結婚するのだし・・・と、なんだかややこしい。普通なら相思相愛で結ばれるハッピーエンドのはずだが、そこに近親相姦という問題があるだけに、なんともすっきりしない話である。

2004年02月24日(火)
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