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 コーンウォールの聖杯/スーザン・クーパー

内容(「MARC」データベースより)
ドルウ家の三人の子どもたちは、古い屋敷の屋根裏から七百年前に書かれたアーサー王伝説をめぐる秘密の古文書を発見する。悪と戦いながら「聖杯」を探し出す子どもたちの物語。1972年刊の改訂新版。


これはタイトルからもわかるようにアーサー王の話、と言ってしまうと語弊がある。アーサー王にちなんだ話とするべきだろう。詳しい内容は、上の内容説明にあるとおりで、アーサー王が復活するなんてことも書かれていたりするのだが、半分ほど読んだ限りでは、アーサー王は人寄せパンダじゃないかってこと。つまりアーサー王がメインになるという話じゃないどころか、結局アーサー王なんて出てこないんだろうな。

などとはっきりしない事を書いているのは、これはスーザン・クーパーの「闇の戦いシリーズ」(邦訳を含む各巻の詳細はこちら)の第一作目で、このあとまだ4冊も続くので、どういう展開になるのか全然わからないからだ。多くのファンタジーの例にもれず、善と悪の戦いというテーマらしいのだが、たくさんの人に望まれて復刊になったわりには、どうなの?という感じ。

私はアーサー王ものが好きなので、アーサー王という文字が書いてあれば、すぐに手が伸びてしまう。これもかなり期待していたのだが、アーサー王が人寄せパンダだとわかってしまったら、もう面白くないだろう。ストーリーが今いちなのか、翻訳が良くないのか(児童書の翻訳はほんとに難しい。子どもっぽい言葉で書けばいいというものでもない。特に会話部分が問題)、物語の雰囲気もとりたてて心惹かれない。

この先の4巻はどうしよう。原書で読んだら、もっと雰囲気が違うのかなあ。3人のきょうだいが、洋服ダンスをああしたこうしたという設定は、どう見ても「ナルニア」だし、これといって魅力的なキャラクターもいない。冒険のきっかけも気をそそらない。ただ、この先主人公が変わるらしいので、どんな展開になるのか、とりあえず興味はある。しかしこの本に関しては、最後まで読まないとわからないが、子供向けの粋を出ていないのは明らか。

2004年02月18日(水)
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