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 The Winter Room/Gary Paulsen

これも『One Wintry Night』同様、ああ、騙されたー!という感じの本。ニューベリー賞って、ほんとに外れる。というか、本の解説に、ウィンター・ルームでのデイヴィッドおじさんの素晴らしい話が書いてあるとあった。それはたしかにそうなのだが、丸々1冊そうだと思ったら、全然そうではなかったのだ!

アメリカ西部の農場に、エルドンとウェインという兄弟がいた。家には両親とデイヴィッドとネルという年老いたおじさんが住んでいる。その一家の春夏秋冬が描かれているのだが、まずは家の中の部屋の配置から説明される。その中には「Winter Room」という、冬に皆が集まってすごす部屋がある。なぜかというと、そこにしかストーブがないからだ。(^^;

というわけで、農場の春、夏、秋と話が続き(農業好き、あるいは自然が好きな人なら面白いかもしれないが)、やっと冬になって、「Winter Room」が登場してくる。ストーブの横で物語を語るデイヴィッドおじさんだが、どうやらおじさんはノルウェーからの移民らしい。だからノルウェーの昔話などが語られる。

最後に「Woodcutter」という、両手に斧を持って、気を切り倒す力持ちの話をするのだが、その後エルドンの兄ウェインは、おじさんは嘘つきだと言って軽蔑するようになる。「Woodcutter」みたいな人がいるはずがないと。弟のエルドンのほうは、だって、あれはお話なんだから・・・と弁護するのだが、どういうわけか、兄のほうが聞き分けがない。思春期の難しい年頃なんだろう。

ある日、兄弟はおじさんが裏庭で薪を割っているのを見る。普通の大人でも無理だろうというくらい大きな丸太を割ろうとしているおじさんを見て、エルドンは怪我をするのではないかと心配するが、ウェインは黙って見ている。すると、おじさんは難なく丸太を割った。結局、ウェインは、再びおじさんを尊敬するという話。

つまりは最後の話だけが重要なのだが、あまりに短いので、春、夏、秋の農場の風景も付け加えたといった感じ。おじさんの物語と、おじさんの薪割りのエピソードだけなら、べつに農場を舞台にする必要もないし、部屋の配置を全部説明することもないのだ。

2004年01月25日(日)
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