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 オレンジガール/ヨースタイン・ゴルデル

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哲学をやさしく説いてベストセラーとなった『ソフィーの世界』の著者、ヨースタイン・ゴルデルが描く、ヤングアダルト向け小説。歴史上の哲学者たちの言葉を指針とした『ソフィーの世界』に比べ、本書は家族という、誰にとっても身近なものを題材にする。生と死、そして世界の在り方について、親しみやすい観点から描いた作品である。

15歳のゲオルグ少年のもとに突如届けられた、11年前に死んだ父からの贈りもの。生前の父が未来の息子へと宛てたその手紙には、若かりし父が出会った風変わりな女性、オレンジガールとの物語がつづられていた。偶然のように何度も現れる彼女に魅入られた父は、その姿を捜し求めてノルウェーからスペインまで足を運ぶ。オレンジガールの正体をめぐる旅を書くことにより、父が遺していった大きな問いとは何だったのか。

手紙を読み進めるうちに、主人公と共に読者は謎解きの世界に引き込まれていく。特に、ゲオルグが強く引かれていた「ハッブル宇宙望遠鏡」と、父とのつながりが明らかになるくだりは、ミステリアスだ。また、父が示した命についての根源的な疑問は、親子の関係を通し、過去から未来へと続く生命の意味を考えさせられる。「この世でのぼくたちの生は、この1回限りだ」という言葉を鍵にした、父と息子の心の旅は、若い読者だけでなく、子どもを持つ親たちの胸にも響くだろう。(砂塚洋美)

出版社/著者からの内容紹介
ゴルデルが久々に発表したうヤング・アダルト小説。
2003年10月10日、フランクフルト国際ブックフェア会場で本国ノルウェーをはじめ、世界同時に発表されて話題を独占。



ヨースタイン・ゴルデルは好きな作家だった。なぜ過去形?と思って考えてみたら、これまでは英語版でしか読んだことがなかったので(日本語版の『ソフィーの世界』は途中で挫折している)、日本語訳で丸々1冊読んだことがなかったのだ。で、日本語訳は退屈で嫌だなあというのがまず第一の感想になってしまった。

ゴルデルの作品は、私の中では2つに分かれている。『アドベント・カレンダー』のようなファンタジーっぽいものと、『ソフィーの世界』のようなしっかり哲学しているもの。ソフィーを途中で挫折しているくらいだから、当然ながらそちら系の作品はあまり好きではない。

本書は子供向けとはいえ、そのしっかり哲学している系の話で、言いたいことはわかるのだけど、それを素直に考えなくちゃいけないのかなあ?と思うと、どうも拒否反応が起こってしまった。

それに、いくら亡くなった父親が残した手紙とはいえ、父親の恋愛(相手はオレンジガール<ここではネタばらしはしません)の話とかって聞きたくないなあとも思う。これは作品が文学的にどうこうというよりも、個人的な感情によるものなのだが、それが前面に出てしまって、どうも作品全体としても受け入れられなかった。

2004年01月26日(月)
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