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■ A Wrinkle In Time/Madeleine L'Engle
主人公マーガレット・マリー(メグ)は、母親とサンディとデニーズの双子(10歳)、そして一番下の弟チャールズ・ウォレスの5人家族だ。物理学者の父親は行方不明。
ある日、風の音が怖くて眠れないので、夜中に起きてみると、キッチンにチャールズ・ウォレスがいた。4歳まで話すことのできなかった、ちょっと変わったところのあるチャールズだが、今では皆のためにサンドイッチをつくってくれたりする、とても気の利くいい子だ。メグはチャールズが大好きだと思う。
友だちのカルヴィンがメグの家にやってきたとき、チャールズと3人で、行方不明の父親を探しに行くことになった。その助けをしてくれるのが、「Mrs. Whatsit」(23億7915万2497歳)「Mrs.Who」「Mrs.Which」の3人の不思議なおばさんたちだった。
彼らは5次元の旅をして、「Messier101」星雲の中にあるマラクという星の第3惑星であるユリエルという星に到着する。そこで、父親が闇の影のうしろに隠されているということを知る。
Camazotzという街に着くと、「CENTRAL Central Intelligence Building」というところに連れて行かれ、透明な円柱の中に、父親が閉じ込められているのを発見するのだが、チャールズもまた催眠術をかけられ、敵の手に渡ってしまったことがわかる。目の前にいるのはチャールズであって、チャールズではないのだ。その敵とは、「IT」と呼ばれる巨大な脳だった。そして闇の影にいる「Black Thing」。
父親を助けることができたメグは、「IT」に数学の問題を出されるが、やはり催眠術にかけられ、体が麻痺してしまう。それを助けてくれたのが、毛むくじゃらで手が4本ある「Aunt Beast」だった。やさしいビーストの手によって、次第に回復したメグだったが、チャールズを助けるために、再び「Black Thing」と戦わなくてはならなかった。
チャールズを助けることができたのは、数学でも物理でもない、「愛」であった。ただひたすらチャールズを愛していると念じて、「Black Thing」の催眠術を解いたのだ。ここまでついてきてくれた「Mrs.」たちは、実は「Gurdian angels」=「神の使い」であった。
だから、なんなの??? 文中には相対性理論や原子の名前、平方根の計算、シェイクスピアのテンペストから謎を解くなどなど、あれこれ出てくるのだが、キーワードは「tesseract」、つまり「四次元立方体」という言葉だ。それがどう関わっているのか、よくわからなかった。時空を超えて父親を探しに行くというのはわかるのだが、そこで四次元立方体がどうしたの?って感じ。もう、面倒だなあと思いながら読んでいたので、ため息ばかり。
でも、そんなことには全く関係なく、最後は「愛」でしめくくるなんて、あまりに安易すぎる。これまで数学や物理に頭を悩ませてきたのはなによ?という感じでしょう。他人のカルヴィンが、どうして一緒にメグの父親を探しに行かなくちゃならないのかもよくわからないし、双子に至っては、全く存在意義がない。「Mrs.」たちが実は天使だったというのも、ちゃんちゃらおかしい。
やっぱりニューベリー賞受賞作ってこんなものかと、変な意味で納得。最初の頃はヨースタイン・ゴルデルに似ているかもと思ったが、読み終えたら全然違っていた。ゴルデルさん、ごめんなさいって感じ。
2004年01月08日(木)
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