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 村の学校/ミス・リード

内容(「MARC」データベースより)
南イングランドの丘陵地の片田舎フェアエーカー村。女校長ミス・リードの教える全校生徒児童数40人の小学校に3人の新入生が入学した。豊かな自然に抱かれた村の学校の1年間をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く。
※画像は単行本のもの


これはちょっと予想外の読み物だった。なんとなく『赤毛のアン』のような雰囲気を想像していたのだが、非常に現実的なレポートといった感じ。実際、巻末の解説にもこうある。

「本書の内容は、一種のイギリス版辺地教育レポートでもあり、内側から見た英国田園生活の風物詩でもある。作品の舞台は南イングランドの架空の村フェアエーカーを中心とするが、それを取り巻く風土は、この地方独特のダウンズ(高原地帯)の雰囲気である」

というわけで、「物語」を期待して読むとがっかりするだろう。語り手はミス・リード(作者のことだが、これはペンネーム)という非常に生真面目な教師で、フェアエーカー村の小学校の1年を描いている。冒頭はまるで面白くもなかったのだが、徐々に控えめながらも辛らつなユーモアに引き込まれ、最後には、読み終えてこの村を離れるのが名残惜しいとさえ思うようになった。子ども相手だからと、どたばたした作り話ではなく、非常に地味だが観察の行き届いた現実を、ありのままに描くことで、かえって人間味あふれる話になっているようだ。

目次に「第一章クリスマス学期」とあったので、これはクリスマスの話かと思って購入したのだが、そういうわけでもなかった。クリスマスのところは、意外にもあっさりしていて、特にクリスマスだからということもなかった。子供向けかとも思ったが、予想と違う大人のしっかりした世界だった。

2003年11月18日(火)
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