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■ Keeping the Moon/Sarah Dessen
母ひとり、子ひとりで育った女子高生コリーは、母親がエアロビクスのヨーロッパ・ツアーに出かけるため、夏休みをノース・カロライナのコルビーに住んでいるミラおばさんのところで過ごすことになった。周囲では変人扱いされているミラおばさんと暮すうち、近くの「ラストチャンス・カフェ」でアルバイトをすることになり、そこで働いているウェイトレスのモーガンとイザベル、キッチンのノーマンと知り合う。
引越しばかりで友だちもいなかったコリー。ミラおばさんも含め、いつしか彼らはかけがえのない友だちになっていく。以前は太っていて、そのことでいじめを受けたりしていたのだが、母親の指導でとりあえず痩せた。でも、自分に自信のなかったコリー。夏休みの間に、自分はきれいで魅力的なんだという自信を、コルビーの友だちが与えてくれた。恋もダイエットも、諦めずに「One More Try!」なのだ。
いじめられっ子が自らそれを克服して、成長していく物語。初めはコリーの身の回りで起こる出来事ばかりだったのが、いつしかコリー自身の話になっていく。かけがえのない友だちになった彼らにも、それぞれに辛い経験があったりして、それでも強く生きているんだということに気づき、これまでの消極的な自分から脱皮するのだ。それにしても、こんな人は一生に何人も出会わないだろうというような、いい人ばかり出てきます。ヤング・アダルトものなので、こんなもんでしょう。大笑いするような話ではないけれど、作者のデッセンのユーモアが、ほのぼのと感じられる文章。
2003年08月16日(土)
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