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 ダロウェイ夫人/ヴァージニア・ウルフ

内容(「BOOK」データベースより)
ジョイスの『ユリシーズ』と比較され、ウルフが独自の小説作法を確立した傑作。自宅で夜会を催す日の朝、51歳のダロウェイ夫人は不意に死の不安に襲われる。ロンドンの六月の一日を、多様な登場人物の三十年余に渡る過去に重ね合わせながら描き出す。


これは降参。まるでわかりません。
「意識の流れ」という手法で書かれているのだが、ひとつのパラグラフの中で、最初はダロウェイ夫人のことが書かれているのに、最後は違う人のことになっている。それがあちらの人、こちらの人とめまぐるしく変わり、わけわかりません。たった1日の間に、30年余りの出来事が描かれているのだが、それぞれの出来事にもまるで興味がわかない。

訳も「〜夫人」というのを意識しすぎなのか、「・・・ですわ」「・・・だわ」という文章が、わざとらしくて好きになれない。ジェーン・オースティンの作品の訳みたいに、普通の語尾のほうがよほどいいだろうにって感じ。原文で読めば、違うだろうか?

ウルフの作品は、興味はあったものの、今までどうしても手に取る気になれなかった。この直感というようなものは、当たっていたかもしれない。私には向かない。

◆[意識の流れ] stream of consciousness

文学用語としては、人物の意識の中で次々に生起する印象、思考、感情、想起などの複雑な流れや動きを、作家が順序立てずに記録していく技法をいう。デュジャルダンが先駆とされ、20世紀にはジョイス、ウルフ、プルースト、フォークナーなどが発展させた。


2003年05月28日(水)
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