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■ HOOT(ホー)/カール・ハイアセン
内容(「MARC」データベースより) 中学生のロイはある日、裸足で走る不思議な少年に出会う。彼は建設現場のフクロウの巣を守ろうとして闘っていた。子どもたちと大人の闘いをユーモアたっぷりに描きだすYA文学。
主人公のロイは転校ばかりしていたので、いじめっ子にはなれていたが、今度はなかなか手ごわい。でも、いじめっ子のダナに対するロイのクールさ、淡々としていながら、それでいてちゃんと自分を持っているロイがすごい。
両親思いのロイは、両親を悲しませないようにと努力して、ずっといい子でいたのだが、裸足で走る少年に出会ってから、そういうわけにいかなくなった。ロイには正義感が芽生え、熱い心を持つ少年に成長したのだ。
自然を破壊する大人や社会に完全と立ち向かう子どもたち。なんだか出来過ぎのお涙頂戴ものみたいな設定だが、ユーモラスな語り口に、嫌味はなく、こんなにいい子ばかりなら、地球は滅びないよと安心したりもする。少年たちの暴力やセックスやドラッグの話ばかりじゃ、いい加減うんざりして、この世も終わりと思うしかないが、こういう「いい子」たちの話は、たまに読むとほっとする。だが、これは大人が書いた「いい子」であって、本当の少年たちはどうなんだろうか?
2003年05月27日(火)
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